作:市原淳 出版:教育画劇
お父さんの車はすごい車。
だって、新幹線より速いし、空も飛べる。
他にも驚きの機能がたくさんついている、すご過ぎる車なんです。
あらすじ
男の子のパパの車は、見た目は普通の車だけど、実はすごい車です。
例えば、屋根が外れてブランコが出てきたり、
新幹線より速く走ったり、
船みたいに水の上を走ったり、
潜水艦みたいに海の中に潜ったり・・・。
色んな事ができる。
他にも、混んでいる道は足を出して歩いて行ったり、
トランクにはデザートマシンが入っていて、いつでも美味しいおやつが食べられる。
タイヤを変えて道のない山を登ったり、
ソリのようになって北極の雪の上を走ることもできる。
まだまだ、こんなものじゃなく、すごい機能がたくさんある。
次の凄い機能は・・・?
『すごいくるま』の素敵なところ
- 多機能すぎる文字通りのすごい車
- すごいのは進む機能だけじゃない
- 自分だけのすごい車も考えてみたくなる
多機能すぎる文字通りのすごい車
この絵本のなによりおもしろいところは、その車のすごさでしょう。
スピードは新幹線を越え、空も飛べるし、海も走れ、懐中にも潜れます。
もちろん地上なら、山だって走れるし、渋滞にも引っかかりません。
もう車という枠を超え、すべての乗り物を超越する勢いです。
でも、この思い切りが最高に楽しい。
「ぼくの考えた最強の車」とばかり、欲しい機能を全部詰め込んだ夢の車。
理屈なんてどうでもいいのです。
実現できるかもどうでもいいのです。
だって、ここは絵本という自由な世界。
すごい車なんだから、思いっきりすごくなくてはつまりません。
そんな「すごい」に予想を超えて応えてくれ、「こんなこともできるの!?」と驚かせてくれるのが、この絵本のとても素敵なところです。
すごいのは進む機能だけじゃない
また、「すごい」のが、乗り物としての「進む」機能だけではないのも、隙のないところです。
すごい車というと、どんなところでも進める機能に注目しがちですが、この車は違います。
デザートマシンを積んでいたり、自己洗車機能や自己修復機能などの便利機能まで搭載しているのです。
自分で修理する車を見ながら、コーヒーを飲むお父さん。
なんと手のかからないことでしょう。
乗り物としてのすごさに慣れてきた子どもたちもこれには、
「自分で洗えるの!?らくちん!」
「自分で直せちゃうんだ!?すご!」
と、流石に驚きの声。
予想外過ぎる便利さに、さらにすごい車が欲しくなったようでした。
自分だけのすごい車も考えてみたくなる
さて、こんなにも自由ですごい車を見ていると、自分のすごい車も欲しくなってきます。
そんな中で、この絵本は子どもたちの発想を自由にしてくれます。
なんと言ったって、絵本の中で車という枠をはるかに超えた発想を見せてくれているのですから、それもそのはず。
「タイムスリップできる車にしたいな」
「ロボットに変形できるようにしたい」
「ショベルカーみたいにしたいな」
など、自由なアイデアがどんどん出てきます。
この絵本を見る前よりも、明らかに発想が広がっている様子。
みんなとても欲張りなすごい車を考えていました。
そんな風に、発想の壁を取り払い、自由に想像する楽しさを味あわせてくれるのも、この絵本のとても素敵なところです。
二言まとめ
予想をはるかに超えた、多機能ですご過ぎる車に驚きが止まらない。
読めば、自分だけのすごい車を発明したくなる、想像力を刺激してくれる乗り物絵本です。
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