作:のぶみ 出版:絵本の杜
けんかをしたとき、叱られたとき、うまくいかないとき。
「いなくなってしまえばいいのに」と思ったことがあると思います。
そんな相手を捨てられるごみ箱があったなら・・・。
あらすじ
いらない人、嫌いな人を捨てられる人間ごみ箱。
その前にはたくさんの人が並んでいる。
一人の女の子は口うるさいお母さんと、日曜日も仕事で遊んでくれないお父さん、他の子とばかり遊ぶ先生を捨てるために並んでいた。
人間ごみ箱の前には「でも、本当に捨ててもいいの?」と最後に聞く人がいる。
「もう一生会えないよ」と。
ママがいなくなったらどうなるんだろう?
パパがいなくなったらどうなるんだろう?
先生がいなくなったらどうなるんだろう?
女の子は考えた。
みんなみんな考えた。
女の子は、みんなは一体どうするのだろう。
『にんげんごみばこ』の素敵なところ
- 「人間」というものについて考えさせられる
- きっとみんな思い当たる節がある
- そういう相手に対して考えるきっかけになる
カッとなると「大嫌い!」と思ってしまう。
けんかをしたときは相手が憎くてしょうがなくて、嫌な面ばかりが見えてしまう。
でも、冷静によく考えてみると、「実はいいやつなんだよな」「こういう面もあるんだよな」といいところも頭に浮かんでくる。
「人間」は嫌なところもいいところも持ってるんだよなと改めて考えさせてくれる絵本。
そして絵本だからこそとても伝わりやすいのです。
自然にスッと入ってくる。
とても不思議な絵本でもあります。
お父さんやお母さん、先生などに同じ気持ちを抱いたことがある人も多いでしょう。
けんかした友だちのことが頭に浮かぶかもしれません。
きっとみんなどこかに思い当たる節があると思います。
そんな時、この絵本はブレーキをかけてくれて、自分と相手を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
自分のことと相手のことを多面的に見つめるきっかけをくれる絵本です。
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