作:いとうひろし 出版:ポプラ社
泥の中から現れる楽しい友だち。
それがどろんこどろちゃんです。
どろちゃんと、身も心も泥だらけにして、泥遊びを楽しめる絵本です。
あらすじ
地面の泥に目が開いた。
頭が出てきて、手を伸ばして、足も出てきて立ち上がる。
この泥の子の名前はどろちゃん。
どろちゃんの作り方は簡単で、コップに5杯の土と、コップに2杯の水をよく混ぜ、よくこねればできあがり。
水が少ないと、硬すぎてポロポロに・・・。
水が多いと、柔らかすぎてベチャベチャに・・・。
どろちゃんは色んな事ができる。
壁や地面に投げて、泥を爆発。
泥を蹴飛ばして、跳ねさせる。
でも、やり過ぎるとどろちゃんは小さくなっちゃう。
そんな時はどろんこお風呂に飛び込めば・・・元通り!
そして、どろちゃんはでんぐり返しをして、最後の技に。
一体どんな技でしょう?
『どろんこどろちゃん』の素敵なところ
- どろちゃんとダイナミックな泥遊びを思いっきりできる
- どろちゃんを通して、泥の性質がわかる
- 泥遊びに出かけたくなる
どろちゃんとダイナミックな泥遊びを思いっきりできる
この絵本のなにより楽しいところは、絵本の中で思いっきり泥遊びができることでしょう。
どろちゃん含め、画面の中の泥はなんともリアルな質感で、触ったら泥がつきそうなくらいです。
そんな画面の中の泥で、どろちゃんと思いっきり遊びます。
泥を思いきり地面に投げつけたり、蹴っ飛ばして飛ばしたり。
普段だったら、止められてしまいそうなダイナミックな遊びばかりです。
でも、この遊び方こそ泥遊びの醍醐味。
泥だらけになるのなんて気にせずに、思いきり泥をかぶり遊べます。
見ていたら、子どもたちも、
「ぼくもどっかーん!」
「やり返しちゃうから!」
と、どろちゃんに泥を投げ返したり、泥を飛ばしてきたりと、まるでそこに泥があり、どろちゃんがいるかのように、泥遊びごっこをしていました。
この、絵本の中で思いっきり泥遊びを楽しめるのが、この絵本のとても楽しいところです。
どろちゃんを通して、泥の性質がわかる
また、楽しいだけではなく、泥の性質を知ることができるのもこの絵本のおもしろいところ。
水と泥の割合で、大きく泥の性質が変わるのです。
これがどろちゃんの姿を通すことで、小さい子にも直感的にわかるようになっています。
水が足りないと、ポロポロで固いどろちゃん。
水が多すぎると、ベチャベチャの柔らかすぎるどろちゃんになってしまうのです。
ちょうどいい泥の分量も教えてくれるので、その泥から水を増やしたり減らしたりする、実験などもはかどります。
固すぎたり、柔らかすぎる時の対処法も、どろちゃんが身をもって教えてくれるので、これまでよりも泥遊びが広がることでしょう。
この、泥の性質をどろちゃんを通してわかりやすく伝えてくれ、それにより泥遊びをさらに広げるきっかけになってくれるのも、この絵本のとても素敵なところです。
泥遊びに出かけたくなる
さて、絵本の中だけでも、泥遊びが楽しめるこの絵本。
ですが、読んだら実際に泥遊びがしたくなってしまうことでしょう。
きっと「コップに5杯の土と、2杯の水でどんな泥ができるのか?」すぐにでも試してみたくなるはずです。
さらには、固めた泥を投げてみたり、飛ばしてみたくもなるでしょう。
この、読み終わった後に、自分でもやってみたくなる魅力も、この絵本のとても素敵なところです。
絵本で見たことを、実際に公園などで試してみる。
そして、実際に五感で泥を味わい、そこからさらに色々なことを学ぶ。
そんな楽しいサイクルが、どろちゃんとの遊びによって自然に作られていくのです。
読んだ後は、ぜひ泥遊びに出かけてみてください。
もちろん、汚れることなど気にせずに。
二言まとめ
どろちゃんとの、楽しくてダイナミックな泥遊びが楽しくて仕方がない。
読めば、実際に泥を触って色々なことを試したくなる、遊びたくなる絵本です。
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