【絵本】ゆきがたくさんつもったら(3歳~)

絵本

作:ルク・デュポン 絵:ヒド・ファン・ヘネヒテン 訳:ひしきあきらこ 出版:フレーベル館

雪がたくさん積もったら・・・。

やっぱり雪だるま作りでしょう!

でも、雪だるまって、ただ立っているだけじゃないみたい。

あらすじ

冷たい雪の上に、1人の雪だるまが立っていました。

でも、ただ立っているだけではありません。

転がってくるサッカーボールを、持っているモップで打ち返したり、

氷や雪の上を滑ったり、

ライオンみたいに声も出せます。

歌を歌ったり、ジャンプにダンス、絵だって描けてしまいます。

悲しい時は涙を流すし、楽しい時は笑います。

好きな人といる時は「アイラブユー」と言ったりもします。

でも、だんだんと・・・。

『ゆきがたくさんつもったら』の素敵なところ

  • なんでもできちゃう雪だるま
  • 感情豊かな雪だるま
  • 雪だるまならではの儚さと強さ

なんでもできちゃう雪だるま

この絵本のおもしろいとこころは、雪だるまが当たり前のように動き、しゃべることでしょう。

雪が降れば、自然と作ってしまう雪だるま。

それが動いて一緒に遊べるとしたら、こんなに楽しいことはありません。

しかも、この雪だるま、まるで子どもみたいに遊ぶのです。

ボールをモップで打ち返したり、ライオンみたいな声を出したり。

一緒に遊んだら、絶対楽しいことが伝わってきます。

さらに、思った以上に身軽でダイナミックなのもおもしろいところ。

雪山の上から思いっきりジャンプしたり、逆立ちしたりと、まるでサーカス団のようになんでもできてしまいます。

これには子どもたちからも、

「すげー!」

「逆立ちして頭取れないのかな!?」

など、驚きの声。

雪だるまの予想外の動きに大喜びしていました。

この、雪だるまとは思えないダイナミック動きと、一緒に遊んだら楽しそうな雰囲気が、この絵本のとてもおもしろいところです。

感情豊かな雪だるま

また、雪だるまのすごいところは、身のこなしだけではありません。

しっかりと、感情があるのも素敵なところなのです。

鳥が死んでいるのを見て、涙を流したり、

子どもたちが楽しく遊ぶのを見て笑ったり、

好きな人と愛し合ったり・・・。

人間と同じように、色々な感情を表します。

それはまるで人間みたい。

ですが、人間だと当たり前だと思うけれど、雪だるまだと特別な感じがするのがおもしろいところ。

自分とは違う生き物、ましてや普通は動かない雪だるまが、こうして感情を表しているのを見ると、自然と色々なものが感じている気持ちを考える機会になります。

きっと、今年作る雪だるまへは、いつもより感情移入していることでしょう。

雪だるまならではの儚さと強さ

さて、そんな物語の最後の場面では、雪だるまならではの結末が訪れます。

雪だるまの絵本ではよくある、物悲しく、雪の儚さが身に染みる結末です。

でも、この絵本は雪だるまとの楽しい体験を描いた絵本。

物悲しいままでは終わりません。

雪だるまならではの強さを感じさせてくれる結末になっています。

これが本当に素敵だなと思ったところ。

きっとこの物悲しさは、雪遊びで雪だるまを作った時に、みんな感じることでしょう。

けれど、この絵本の結末を見ると、物悲しさからポジティブに前を向く、新しい視点がもらえるように思うのです。

この静的で、儚い特徴を持った雪だるまを、とても動的で感情豊かで、たくましいものとして描いているところも、この絵本のとても素敵なところです。

二言まとめ

ダイナミックに動き、感情豊かな雪だるまに、雪の上を一緒に跳び回って遊びたくなる。

「静かで儚い雪だるま」という固定概念を、思いっきり塗り替えてくれる雪遊び絵本です。

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