作:よしむらあきこ 出版:教育画劇
「鼻をほじらない」「鼻を吸わない」など当たり前のように言っている言葉。
でも、子どもには中々伝わりません。
鼻をほじれば気持ちいいし、鼻をかむのはめんどくさいですから。
そんな子どもたちへの伝え方が詰まっている絵本です。
あらすじ
はなほじたっくんはさっきからずっと鼻をほじっています。
やっと取れた鼻くそを見ると、そこには頭に鼻くそを頭に乗せた忍者がいました。
ほじりすぎなたっくんに鼻くそ忍者はついてくるよういいました。
忍法で小さくなったたっくんと一緒に鼻の穴の中へ入っていきます。
鼻の中に入ると、鼻毛がゆらゆら生えていました。
それだけじゃなく、ばい菌があたりを漂っています。
そこへ鼻水小僧がやってきて、ばい菌たちを食べていきました。
ばい菌を食べた鼻水は黄色くねばねばになり、ころころと丸まって鼻くそになりました。
でも、一人だけ鼻くそにならない鼻水がいたのです。
その鼻水おばけは鼻の穴の奥へと逃げていきました。
鼻くそ忍者とたっくんが追いかけていくと喉に着きました。
鼻水おばけはのどちんこさんを引っ張っています。
鼻くそ忍者がカチカチ鼻くそ手裏剣を投げつけると、鼻水おばけは泣き出しました。
そして、鼻くそと呼ばれたくないのだと言いました。
鼻くそ忍者は言いました。
鼻くそは頑張ったものしかなれないすごいものなのだと。
鼻水おばけは鼻くそ忍者の説得に耳を傾けるのでしょうか。
『はなくそにんじゃ』の素敵なところ
- わかりやすい絵と表現で鼻くその秘密を伝えてくれる
- 鼻くそへの見方が変わる
- 鼻をかむことの大切さも一緒にわかる
この絵本の一番素敵なところは、そのわかりやすさです。
子ども目線で、鼻くそがどんな風に出来ているのか、なんで必要なのかなどを伝えてくれます。
また、子どもが大好きな忍者をモチーフにし、物語に忍法などを入れることで楽しく最後まで見ることが出来るのも素敵です。
その中で鼻水おばけとのやり取りを通し、鼻くその大切さや自分の体の中で頑張ってくれているのを知ることで、鼻くそへの見方を変えてくれます。
汚いものというイメージが汚いけれど必要なものへと変わります。
それと一緒に、鼻をかむことへとの大切さにも話を繋げられるようにしてくれています。
鼻水おばけが喉へ来てしまうことで、のどちんこがいじめられたり、ばい菌が喉へ来てしまうから、しっかり鼻をかまないといけないと言うように。
意外と伝えにくく、伝わりにくい当たり前のことを、わかりやすく伝えてくれるこの絵本。
読んだ後には「鼻水を吸うと鼻水おばけが喉にはいっちゃうよ」など、わかりやすく伝えることも出来るようになる一冊です。
コメント