作:酒巻恵 出版:WAVE出版
小春日和、花見日和、散歩日和・・・。
色んな日和がありますが、めったに見られない珍しい日和も存在します。
それが10年に一度のおしり日和。
あらすじ
今日は10年ぶりのおしり日和だと天気予報で言っています。
けんくんはなんのことかわかりませんでしたが、とりあえず犬のモモを散歩に連れていくことにしました。
外に出ると空には大きなおしりが浮かんでいました。
「今日はおしり日和だから」とお母さんがおやつと傘を持たせてくれました。
けんくんが犬と散歩を始めると、突然強い風が吹きました。
空を見上げると、しっぽを振って風を起こしながら馬のおしりが流れていきました。
けんくんが河原に着くと、たくさんのウサギのおしりが空を流れていきました。
そして、そのおしりからフンが降ってきました。
けんくんは傘のおかげでフンまみれにならずに済みました。
今度は突然あたりが暗くなり、大きなゾウのおしりが流れてきました。
ゾウのおしりはブバーン!と特大のおならを一つすると流れていきました。
しばらくして、シマウマのおしりの群れがのんびり流れてきました。
するとその時、トラのおしりがシマウマのおしりを追いかけてきました。
でも、シマウマのおしりにみんな逃げられトラのおしりはしょんぼり流れていきました。
夕陽に照らされて真っ赤になったサルのおしりが流れていくのを見て、けんくんは家に帰ることにしました。
その時、空がきらっと光りました。
一体何の光なのでしょう。
『おしりびより』の素敵なところ
- 子どもの大好きなおしりだらけ
- フンやおならなどの下ネタもしっかり搭載
- おしりだけでいい話風にまとめる発想力
この絵本は最初から最後までおしりだらけです。
子どもの大好きなおしりだけで出来ています。
タイトルと表紙を見ただけで、テンションが爆上がりする子どもたち。
集めなくても集まってくる集客力。
おしりに力はすごいです。
笑えるだけでなく、この絵本には色々な動物のおしりが出てきます。
普段、注目することのないおしりをよく見ると色々な特徴が見えてくるのも面白いところ。
動物の写真クイズなどするとすぐにわかる子も、おしりだとけっこう間違えたりします。
そして、おしりが題材なだけに、フンが降ってきたり、おならをしたりと下ネタもしっかり搭載されています。
もちろんみんは「うわー!」「きたなーい!」と大盛り上がり。
でも、それだけでなくトラがシマウマを追いかけたりと、自然界さながらな行動もとるので飽きさせません。
前ページおしりだけで進んでいくこの絵本。
最後はいい話風に終わります。
そして、最初はツッコミを入れていた子も、最後はいいお話だったなという雰囲気で終わります。
この世界観にいつの間にか入り込んでしまっているように。
そんな笑えるけれど、なぜかしっとり終わる独特な絵本です。
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