作:まついのりこ 出版:童心社
色々な生き物が靴をはいて出かけます。
それぞれ違う「とっとことっとこ」が楽しくて、
一緒に歩き出したくなってしまう絵本です。
あらすじ
ネコさんが靴をはいて、野原を歩いています。
「とっとことっとこ」
アリさんが靴をはいて、地面を歩いています。
「とっとことっとこ」小さな音。
ブタさんが靴をはいて、歩いています。
「とっとことっとこ」
カエルさんも靴をはいて、歩いています。
「とっとことっとこ」
ヘビさんは尻尾に靴をはいて這っています。
「とーとことーとこ」
ロボットさんも靴をはいて、歩いています。
「とっとことっとこ」ちょっと固い音がします。
タコさんも靴をはいて、歩いています。
「とっとことっとことっとことっとことっとことっとことっとことっとこ」
ほしさんも靴をはいて・・・。
『とっとことっとこ』の素敵なところ
- 次々出てくる色々な生き物たちに大喜び
- 一緒に言いたくなる、歩きたくなる「とっとことっとこ」
- 変化のある「とっとことっとこ」がおもしろい
次々出てくる色々な生き物たちに大喜び
この絵本のまず楽しいところは、ページをめくるたびに、色々な生き物たちが出てくるところでしょう。
「ニャーニャーだ!」
「アリさんかわいいね♪」
「ブタさん、ブーブー!」
などなど、自分の知っている生き物が出てくるたび、子どもたちは大喜び。
名前を言ったり、指さしたり、鳴き声を真似したりと大盛り上がりでした。
次々に違う生き物が出てくるので、小さな子でも飽きずに見ることができ、ページをめくるごとに新たな出会いと、驚きを感じている様子。
みんながよく知っている、親しみ深い生き物たちが、次々に目の前に現れるのが、この絵本のとても楽しく盛り上がるところです。
一緒に言いたくなる、歩きたくなる「とっとことっとこ」
そんな生き物たちは、みんな靴をはいて歩いていきます。
この時の決まり文句「とっとことっとこ」も、この絵本のとても楽しいところ。
何度も言っていると、一緒に言いたくなる不思議な魔力が宿っているのです。
子どもたちも自然と「とっとことっとこ」と言い出します。
さらに言うだけじゃなく、体が動いて歩き出してしまう子も。
動物の鳴きまねをしながら、「とっとことっとこ」歩いて行ってしまうのですが、次のページになると帰ってくるからおもしろい。
そして、また「とっとことっとこ」向こうに歩いて行ってしまいます。
きっとこの言葉には、リズム感や音感など、子どもが体を動かしたくなる要素が詰っているのでしょう。
絵本を読んだ後にも、「とっとことっとこ」と言うと、子ども達が行進していました。
この「とっとことっとこ」の楽しい繰り返しも、この絵本のとても楽しく素敵なところです。
変化のある「とっとことっとこ」がおもしろい
さて、この「とっとことっとこ」なのですが、実はずっと同じではありません。
生き物によって、たまに変化がつけられます。
これもまた、最後まで飽きずに見られる、とてもおもしろいところです。
小さいアリなら、字体が小さく「とっとことっとこ」と小さい音に。
足のないヘビなら「とーとことーとこ」と、ヘビの動きに合わせた滑るような音に。
ロボットなら角ばった字体で、機械音のような固い「とっとことっとこ」に。
というように、たまに変化球の「とっとことっとこ」が現れます。
これがよいアクセントになっていて、子どもの興味を強くひきつけるのです。
これまでとは違う言い方を一緒に真似したり、
変わった言い方や、タコのような忙しない「とっとこ×8」に大笑いしたり。
変化球の場面では、必ず他のページとは違う盛り上がり見せるのがすごい。
この要所要所で入ってくる、「とっとことっとこ」の変化球もまた、この絵本のとてもおもしろく盛り上がるところです。
二言まとめ
次々に出てくる生き物たちと一緒に、「とっとことっとこ」と声や動きを合わせるのがとても楽しい。
「とっとことっとこ」言っているうちに自分の体も動いてしまう、靴をはいて歩きたくなる絵本です。
コメント