作:新井洋行 出版:大日本図書
イスが一脚ありました。
そこへやってくる動物たち。
座るのかと思いきや・・・。
あらすじ
あるところに、リズム遊びの大好きなイスたんがいました。
そこへパンダがやってきて、イスたんを・・・
手でトントン♪叩いてリズム遊び!
次にアシカがやってきて、イスたんを・・・
しっぽでペチペチ♪叩いてリズム遊び!
今度はイヌがやってきて、イスたんを・・・
ペロペロ♪なめて、リズム遊び!
さらにウサギがやってきて、イスたんを・・・
耳でパタパタ♪叩いて、リズム遊び!
まだまだ出てくる生き物たち。
一体どんなリズムをとるのでしょう?
『とんたんイスたん』の素敵なところ
- イスを楽器にするおもしろさ
- ものすごく楽しそうで個性的なリズム遊び
- 自分も音を出して音楽家になりたくなる
イスを楽器にするおもしろさ
この絵本のとても楽しいところは、イスで色々なリズムをとって遊ぶところでしょう。
てっきり座るのかと思いきや、誰もイスに座りません。
これには子どもたちもビックリ。
「座らないね~?」
「叩いちゃダメー!」
「トントンしてる!」
と、驚いたり、怒ったり、大笑いしたりと大忙しです。
でも、出てくる動物みんなリズム遊びを始めるので、段々と慣れてきて受け入れ始めたら、もう楽しい。
音に合わせて体をゆすったり、自分も同じ音を出そうと床を叩いてみたり、みんな笑顔に早変わり。
きっと「イスにはちゃんと座りなさい」と言われている反動もあるのでしょう。
イスを楽器にすることがものすごく楽しいみたいです。
この、普段とはまったく違う、イスの楽しい使い方に気付かせてくれるのがこの絵本のとても素敵なところです。
ものすごく楽しそうで個性的なリズム遊び
さらに、子ども達をワクワクさせてくれるのが、生き物それぞれに個性的過ぎるリズム遊び。
叩く、はたく、なめるなど、音の出し方の豊富さに加え、
手、しっぽ、舌、耳など、使う部位も様々で、生き物の特徴がこれでもかと出ています。
テンポの速さも生き物ごとに違い、特に速いテンポの生き物は、子ども達のテンションもうなぎ上りにあがります。
これらが見事に重なり合って、ページをめくる前に、
「どうやって音を出すんだろう?」
「どんな音を出すんだろう?」
と、とてもワクワクさせられるのです。
そして、ページをめくると、音を出す生き物とイスたんの、ものすごく楽しそうな表情も相まって、とても楽しい雰囲気に包まれます。
それはまるで、みんなで音楽の世界に入りこんでしまったよう。
この、色々な生き物と、個性的なリズム遊びを思いきり楽しめるワクワク感も、この絵本のとても楽しいところです。
自分も音を出して音楽家になりたくなる
さて、こんな風に、色々なリズムの出し方をみていたら、自分もやりたくならないはずがありません。
さっそくイスを叩いてみる子どもたち。
すると、本当にきれいな音が出ます。
この時の子どもの驚きと感動が入り混じった表情は必見です。
でも、子どもの好奇心はそんなものでは止まりません。
次第に、イス以外の棚や壁も叩いてみると、違う音がすることを発見。
どんどんリズム遊びの世界が広がります。
はたきや棒を用意しておいても、さらに遊びが広がったり、絵本に出てくる動物の真似も始まるかもしれませんね。
この、絵本を飛び出して、なんでも楽器にしてしまう、原初的なリズム遊びの楽しさに気付かせてくれるのも、この絵本のとても素敵なところです。
ぜひ、この絵本とともに、おうち音楽会を楽しんでみてください。
二言まとめ
イスを使った、生き物それぞれの個性的なリズム遊びがおもしろい。
見たら自分も、イスを叩いてリズムを作ってみたくなる、少し変わったリズム遊び絵本です。
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