【絵本】ほんやのいぬくん(4歳~)

絵本

作・絵:ルイーズ・イェーツ 訳:ほんじょうまなみ 出版:岩崎書店

本が大好き過ぎて、本屋を始めたいぬくん。

でも、お客さんが1人も来ません。

落ち込んでいたいぬくんですが、気を取り直して本を読み始めると・・・。

あらすじ

あるところに、本が大好きないぬくんがいました。

いぬくんは、とても本が好きなので、自分で本屋を始めることに。

町を歩いて宣伝し、たくさんの本を準備します。

そしていよいよ開店の時間。

お客さんにあいさつしようと店のドアを開けると・・・

一人もお客さんがいませんでした。

ひとまずお茶をいれることにしたいぬくん。

すると、ご婦人が訪ねてきたではありませんか。

でも、ご婦人が頼んだのはミルクティー。

いぬくんが、ここは本屋だと言うことを伝えると、ご婦人は帰ってしまいました。

しばらくお客さんを待っていると、今度はおじさんが店に入ってきました。

けれど、道を聞きに来ただけでした。

しょんぼりするいぬくん。

しかし、すぐに気を取り直し、待つのはやめて本を読むことに。

本棚から恐竜の本を取り出し読み始めます。

本を読んでいると、もう一人ぼっちではありません。

本の中の恐竜たちと一緒です。

恐竜たちとの冒険が終わったら、違う本を持ってきて次の冒険へ。

こうしていぬくんが、宇宙へ遊びに出かけていたその時。

ついに・・・。

『ほんやのいぬくん』の素敵なところ

  • 本がもっと好きになる物語
  • とっても素直でかわいいいぬくん
  • 本よりもっと好きなこと

本がもっと好きになる物語

この絵本のなにより素敵なところは、いぬくんの姿を通して、本の楽しさに改めて気付けることでしょう。

本の匂いをかいだり、本に寝転んだり、本を全身で楽しむ姿から、本が好き過ぎてしょうがないといった気持ちが伝わってきます。

さらには好き過ぎて本屋を開くまでに。

でも、お客さんが来なくてしょんぼり。

そんな時にも、いぬくんを元気づけてくれるのは、大好きな本たちです。

本を読んでいると、登場人物と出会えて、ひとりぼっちじゃなくなること。

どんな世界にも冒険に出かけられること。

などなど、本の大きな魅力を、いぬくん自ら実践して見せてくれます。

これを見ていたら自然と、

「本っていいよね~」

「そうそう!それが楽しいんだよね!」

と、思わず共感してしまうことでしょう。

特に、本が好きな子には、いぬくんが自分の気持ちを代弁してくれていると思え、嬉しい子と間違いなし。

改めて、本のよさを実感させてくれるのです。

この、いぬくんの本にメロメロな姿を通して、本の素敵さや、自分が本を好きな気持ちを再確認できるのが、この絵本のとても素敵なところです。

ぜひ、本が大好きな子と一緒に読んで欲しい絵本ですね。

とっても素直でかわいいいぬくん

また、本だけでなく、いぬくんも同じくらい魅力的なのも、この絵本の素敵なところ。

このいぬくんが、ものすごく感情表現豊かで素直。

どんな気持ちかが、見ているだけで簡単にわかってしまうのです。

表情もさることながら、特徴的なのは耳。

いつもは折りたたまれていますが、嬉しいと耳がピーンと立ちます。

お客さんが来た時などは、見るからに嬉しそう。

子どもたちも、

「耳ピーンってなってるよ!」

「お客さん来て嬉しいんだね♪」

「かわいいね!」

と、しっかりいぬくんの気持ちが伝わっています。

他にも、本を読んでいる時の穏やかな表情や、お客さんが来なくてしょんぼりした表情、本の世界で楽しそうに冒険する表情など、表情と仕草がどれも絶妙にかわいい。

表情や仕草が豊富で、とても感情が読み取りやすいからこそ、感情移入しやすいのでしょう。

見ているうちに、心からお客さんが来てほしいと思えてくるのです。

そして、お客さんが来た時には、いぬくんと同じくらい嬉しいのです。

この、とてもかわいく素直ないぬくんの姿に癒されつつ、心を通わせ応援したくなるところも、この絵本のとても素敵なところです。

本よりもっと好きなこと

さて、そんな本が大好きないぬくんですが、実は本よりも大好きなことがありました。

それが、絵本の最後のページで明かされます。

この本よりも大好きなことも、この絵本のとても素敵なところです。

この言葉を聞いあとに、物語を振り返ると「本屋を始めたことは、この言葉を実現するためだったのかな?」と思えてきます。

同時に、「自分の大好きな本で、これを実現したかったのかな?」とも。

絵本の読み聞かせは、まさにこの言葉を実現しているもので、読み終わった後、子ども達と「いぬくんのしたかったこと、みんなでしてるね」とおしゃべりしたのが印象的な思い出です。

本を自分で読むことももちろん楽しいけれど、さらに別の楽しみ方にも気付かせてくれる。

これが、この絵本のとてもとても素敵なところです。

きっと読み聞かせをすることで、大人も子どもも、いぬくんと同じ気持ちを味わえると思いますよ。

二言まとめ

本が大好きないぬくんと一緒に、本の楽しさや本が好きな気持ちに、気付いたり再確認できる。

いぬくんの、本屋という素敵な夢を、心から応援したくなる絵本です。

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