作:こもりまこと 出版:童心社
走るのが大好きな赤い車。
スピードを上げドライブに出発します。
その疾走感と躍動感に、思わず体が動いてしまう絵本です。
あらすじ
走るのが大好きな赤い車がありました。
今日も道路を楽しく走ります。
ジャンプをするのも、曲がるのも、荷物を運ぶのも大好き。
止まるのだって大好きです。
たくさん走ったので、ガソリンスタンドで休憩。
ガソリンを入れてもっともっと走ります。
給油が終わり走っていると、空から雨が降ってきた。
だけど、雨の中を走るのも大好き。
雨の中でカーブをすると、タイヤが滑っておもしろい。
でも、そのまま滑っていると・・・
道路から飛び出て泥だらけになってしまいました。
そんな時は、体をきれいに洗います。
きれいに洗うのも大好きです。
『はやいぞブンブン』の素敵なところ
- かっこいい赤い車の多彩な走り
- 本物そっくりな効果音と臨場感
- なにをやっても楽しい車
かっこいい赤い車の多彩な走り
この絵本のとても楽しいところは、かっこいい赤い車が、色々な走りを見せてくれるところでしょう。
スピードを上げて走ったり、ジャンプしたり、急カーブを曲がったり。
そのどれもが絵になってかっこいい。
さらに、ジャンプでは、アクション映画のようにジャンプした車が、こちらに迫ってくるように描かれたり、
急カーブでは、片方の車輪が浮いて、車体が傾くかっこいい曲がり方。
まるで、映画を見ているかのような迫力とかっこよさがあるのです。
でも、この車が見せてくれるのはスピードを出すところだけではありません。
荷物を運んだり、給油をしたり、ブレーキをかけたり、洗車をしたり。
車が主にすることは、すべて楽しそうに見せてくれるのです。
この、特別なかっこよさから、普段の日常的な様子まで、あますところなく見せてくれるのが、この絵本のとても素敵なところです。
本物そっくりな効果音と臨場感
また、この絵本に欠かせないのが効果音。
この効果音によって、車の走りにより臨場感が増し、本当に走っている気分になれるのです。
走る時には「ブルルーン」「ブンブンブン」とエンジン音。
曲がる時には「キュキュキュキュキューゥ」とグリップ音。
急ブレーキは「ブンブン キキキーッ!」。
と、どの効果音も本物そっくり。
躍動感あふれるリアルな車の動きと相まって、本当に目の前で赤い車が走っているようです。
この効果音によって、より臨場感と躍動感を味わえるのも、この絵本の素敵なところ。
本当に、車に乗って走っている気分になれることでしょう。
この絵本はぜひ、効果音やエンジン音を本物そっくりに読んであげてください。
きっと、子どもたちが赤い車に、乗りこんでくれると思いますよ。
なにをやっても楽しい車
さて、走ったり、止まったり、時にはコースアウトして泥だらけになったり・・・。
他の絵本だと、一度心配になったり、事件に発展しそうな場面がありますが、この絵本だとそんなことにはなりません。
どんなことが起こっても、赤い車は楽しんでしまうのです。
特に、子どもたちに不安が走るのは、コースアウトした場面。
雨の中でタイヤが滑るのを楽しんでいる時から、
「大丈夫かな?」
「事故になっちゃいそう・・・」
と、子どもは不安げ。
そして、案の定滑ってコースアウト。
見事に伏線を回収していきます。
「ケガしてないかな?」と心配する子どもをよそに赤い車は、
「うわーい!雨で滑って泥だらけ― ブンブーン」
と、楽しそう。
この、走っても、止まっても、滑っても、なにをしていても楽しそうなのも、この絵本の素敵なところ。
紆余曲折がないので、ただ純粋に走ることを楽しめるのです。
それはまさにドライブやツーリング。
物語ではなく、走ること自体が、この絵本の最大の楽しみなのでしょう。
車が好きだったり、疾走感やスピード感が好きな子が、ただ純粋にその部分を楽しめる。
それが、この絵本ならではの魅力なのだと思います。
二言まとめ
かっこいい赤い車と一緒に色々な走りを、臨場感と躍動感たっぷりに味わえる。
「車で走る」楽しさを純粋に満喫できる、乗り物絵本です。
コメント