はるのおとがきこえるよ(3歳~)

絵本

文:マリオン・デーン・バウアー 絵:ジョン・シェリー 訳:片山令子 出版:ブロンズ新社

春の足音が聞こえてくる。

そんな言葉を耳にしますが、春の音を聞いたことはあるでしょうか。

この絵本に出てくる春の音は少し変わっています。

どんな風に春はやってくるのでしょうか。

あらすじ

冬の終わりの夜に不思議な音が聞こえてくる。

「コツン コトン コツコツ ガリガリ バリバリ パリン パクン パン」

こんな音が聞こえてベッドを飛び出した男の子。

外に出るとどろんこの雪や震える木が見える。

それと一匹のクマ。

クマは「もうすぐ来るよぉ。一緒に行こう」と言ってくる。。

話していると、さっきより大きい音が聞こえてきたので、一緒に行くことにした。

クマと手をつなぎ歩いていくと、木の芽も風も「もうすぐ来る」と歌っている。

歩いていくと、ウサギが巣穴から出てきてついてきた。

その次にリス、そしてビーバー。

1人と4匹がさらに歩いていくと、音の元までたどり着いた。

そこには一体何があったのでしょう。

春はやってくるのでしょうか。

『はるのおとがきこえるよ』の素敵なところ

  • 何の音なのかわからないドキドキ感
  • 「もうすぐくるよ」という繰り返しのワクワク感
  • 春が詰まった素敵な最後

「春の音」と聞いて想像する音とかなり違う春の音。

少し怖い感じもする音。

この音が物語の色々なところで聞こえてきて、どんどん大きくなっていきます。

本当に春の音なのか、もしかしたら怪獣でもいるのではないのかと思えてきます。

男の子も不安になって何度かクマに聞きますが、その答えは「もうすぐくるよ」という言葉だけ。

音が鳴るたびに、子どもたちもドキドキの不安顔を見せます。

しかし、最初はクマだけが言っていた「もうすぐくるよ」が段々広がっていきます。

森の木々や風、ウサギ、リス、ビーバーなども口々に言い始めます。

すると、不安だった気持ちが「いよいよ来るのかな」というワクワク感に変わっていきます。

そして音の元には予想外のものが。

でも、そこからの最後の場面を見た瞬間に「わー!」「春だー!!」とうっとりした感嘆の声が上がります。

絵本を閉じた時にはみんなも春気分になっています。

読み終わった時に、自分たちの元にも春が来た気分にしてくれる暖かい絵本です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました