【絵本】あったらいいね(3歳~)

絵本

作:多田ヒロシ 出版:こぐま社

「あったらいいな」という楽しい想像。

それを形にしてくれた夢のような絵本です。

あなたはどんなことがあったらいいなと思いますか?

あらすじ

あったらいいね。

色んな模様のシャボン玉。

割れると模様も弾けて花火みたい。

あったらいいね。

サイの角や耳を使った輪投げ。

あったらいいね。

サドルが伸びる自転車。

これで、高い木にも簡単に届きます。

あったらいいね。

階段がエスカレーターになっているすべり台。

あったらいいね。

動物の先生が遊んでくれる保育園。

あったらいいね・・・。

まだまだ盛りだくさんのあったらいいね。

次はどんなあったらいいねが出てくるのでしょうか?

『あったらいいね』の素敵なところ

  • 見ているだけでおもしろい「あったらいいね」
  • 想像の世界を広げてくれる「あったらいいね」
  • 自分でも考えたくなる「あったらいいね」

見ているだけでおもしろい「あったらいいね」

この絵本のなにより楽しいところは「あったらいいね」という、自由な想像の世界がたくさん広がっているところでしょう。

絵を描く時に「きれいだな」と思って描くような虹色のシャボン玉が、絵本の中では実際に飛ばされていたり、

サイとの輪投げで憧れの動物と遊べたり、

動物の先生がいる保育園では、力持ちのゴリラ先生に持ち上げてもらったり、ライオン先生のたてがみにリボンをつけたり・・・。

思わず「あったらいいな~」と言ってしまうような想像の世界が広がっています。

そんな楽しい想像の世界が、ページをめくるたびに飛び出してくるのです。

これが楽しくないはずがありません。

しかも、そのどれもが子どもたちの琴線を見事に刺激するものばかり。

ちょうど、子どもの目線にピッタリ合った「あったらいいね」が集まっているのです。

子どもたちも、

「こんなシャボン玉飛ばしてみたい!」

「私は、ゴリラ先生がいいな~」

「サドルが伸びたら木に引っかかった凧も取れるじゃん!」

と、大盛り上がり。

楽しい想像の世界が現実になった時のことを考え、夢を膨らませているようでした。

この、どのページをめくっても魅力的過ぎて、子どもたちを釘付けにしてしまう、夢がいっぱいの「あったらいいね」が、この絵本のなにより素敵なところです。

想像の世界を広げてくれる「あったらいいね」

また、この「あったらいいね」が、そこからさらに想像の世界を広げてくれるのも、おもしろいところ。

子どもたちは、それぞれの「あったらいいね」を見た後に、想像を連鎖させていきます。

シャボン玉なら、

「シャボン玉、自分の好きなように模様作れるのかな?」

「絵の具で描けるんじゃない?」

「じゃあ、お花の絵を描いてみたいな。」

サイの輪投げなら、

「でも、角で突っつかれないかな?」

「仲良しだから大丈夫じゃない?」

「桃太郎印のきび団子をあげたんだよ!」

「輪投げの後は背中に乗せてもらおう!」

というように。

「あったらいいね」から、「もっとこうだったらいいね」に繋がっていくのがおもしろい。

きっと、それだけ「あったらいいね」を心の底から、「あったらいいな」と思えているのでしょう。

見開き一ページの「あったらいいね」から、想像力がどんどん広がり、その子たちだけの物語や設定ができていくのも、この絵本のとてもおもしろいところになっています。

自分でも考えたくなる「あったらいいね」

さて、こうして絵本の中で色々な「あったらいいね」を見てきたら、自分たちの「あったらいいね」を考えたくなるのも当然の流れです。

見終わって、想像力が溢れだしている子どもたちからは、

「わたあめの雲があったらいいな」

「じゃあ、それを取りに行けるように、ブロックの飛行機で空を飛ぼう!」

「恐竜の動物園ともあったらいい!」

など、色々な「あったらいいね」が出てきます。

それに対して、「あ、それいい!」と賛同したり、「それなら・・・」とイメージを共有して想像をさらに広げたり。

こんなにも、子どもたちの想像力を自然に開放してしまうとは驚きでした。

この、色々な「あったらいいね」を見てきたことで、自然と自分の「あったらいいね」が頭に浮かんでくるところもとても素敵でおもしろいところです。

1対1で読むのも楽しいですが、多人数への読み聞かせで読むと、色々なアイデアが飛び交い、さらに想像の世界が広がりとてもおもしろいので、ぜひ試してみてください。

二言まとめ

次々出てくる夢のような「あったらいいね」な出来事に、想像の世界が無限に広がってゆく。

見れば、自然と自分の中の「あったらいいね」が、どんどん溢れだしてくる絵本です。

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