いただきます。ごちそうさま。(4歳~)

絵本

作:あさのあつこ 絵:加藤休ミ 編:東雅夫 出版:岩崎書店

昔、「なんでも食べてえらいね」と言われたことはあるでしょうか。

でも、本当に「なんでも」食べることはいいことなのでしょうか。

それが食べてはいけないものであったとしても。

あらすじ

ぼくは食べるのが大好きで、なんでも食べる。

ママもパパもそんなぼくのことを褒めてくれる。

ある日、大きな犬が吠えてきた。

うるさいから食べてしまった。

太り過ぎだと友だちが笑った。

そんな友だちも食べてしまった。

先生たちが怖い顔で走ってきた。

怒られるのは嫌だから、先生をみんな食べてしまった。

パトカーの音がして、おまわりさんが追いかけてきた。

パトカーもおまわりさんも食べてしまった。

一体、どこまで食べ続けるのでしょうか。

『いただきます。ごちそうさま。』の素敵なところ

  • よく言われる言葉を使った怪談話
  • 食べる描写がかなり怖くて不気味
  • 衝撃的すぎる最後

「なんでも食べなさい」「何でも食べて偉いね」という、よく使われるセリフ。

でも、よくよく考えてみると「なんでも」というのは「食べてはいけないものも」というニュアンスがあることにも気づきます。

そんなところから展開される物語は、自分の延長線上として見てしまいます。

だからこそ、身近でリアルな怖さや不気味さを感じます。

また、そのリアルさを増幅させているのが、食べる描写です。

キャラクターはデフォルメされているものの、犬や人を食べていく様はかなり直接的に描かれています。

この絵本の視覚的な不気味さはかなりのものです。

ここまででもかなり衝撃的で怖いのですが、最後の場面でさらに背筋が凍り付きます。

怖さと不気味さが凝縮された絵本です。

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