作・絵:みやにしたつや 出版:ポプラ社
まねっこが上手なオオカミ。
出会った生き物たちを、色々な方法でまねっこします。
さあ、どんな生き物をまねまねするのかな?
あらすじ
オオカミがカメを見つけました。
すると、まねっこが得意なオオカミは・・・
そばにあった岩を背中に背負い、まねまね。
家の窓からコウモリを見つけたオオカミ。
窓にかかっていたカーテンを腕につけ、まねまね。
パンダを見つけたオオカミ。
持っていた白い絵の具を体に塗って、まねまね。
ヘビを見つけたオオカミ。
落ちていたチューブに入って、まねまね。
ネズミを見つけたオオカミ。
ヘビをしっぽにつけて、まねまね。
と、そこへやってきたのは大きなティラノサウルス。
オオカミはまねまねできるのでしょうか?
いったいどうやって・・・?
『まねまねおおかみ』の素敵なところ
- 様々なものを使ったまねまねのおもしろさ
- 見ると自分もまねまねしたくなる
- 最後は驚きのティラノサウルス
様々なものを使ったまねまねのおもしろさ
この絵本のなによりおもしろいところは、オオカミが色々な生き物のまねまねをするところでしょう。
しかも、ただ動きを真似するだけじゃなく、近くにあるものを使ってなりきるところがおもしろい。
岩をカメの甲羅にしたり、
カーテンをコウモリの羽にしたり、
と、全然違うものが、見立ての力でまねまねの道具になってしまうのです。
ここが、この絵本のとてもユニークなところで、
「岩が甲羅になった!」
「カーテンが羽になってるよ!」
と、「まさかそれを使うとは!」という驚きを巻き起こします。
さらに、ページが進むにつれ、まねまねのパターンがわかってくると、そのページに出てくる道具を使って、どうまねまねするかを予想する遊びにもつながりおもしろい。
「ペンキで塗るんじゃない?」
「あのチューブに入るんだ!」
などなど、子どもたちもまねまねの極意をつかみます。
この、ページ内にある様々なものを使って、色々な生き物のまねまねをするのが、この絵本のとてもおもしろく盛り上がるところです。
見ると自分もまねまねしたくなる
そんなオオカミを見ていると、自分もまねまねしたくなるのが、子どもというもの。
色々な道具を使うオオカミを見て、子どもたちにもまねまねのヒントをくれます。
岩の代わりにダンボールや、お鍋、布団などを使ってカメになったり、
カーテンの真ん中に入りバサバサすれば、オオカミのようなコウモリに、
白黒の服を着てパンダになったり・・・
と、オオカミのまねまねの仕方を見ていると、身近にあるものがなんでもまねまねの道具に見えてくるのです。
きっと、コタツに入って「カタツムリ」や、しゃもじを2本頭につけて「ウサギ」など、色々なバリエーションも生まれることでしょう。
この、オオカミが色々なものを使ってまねまねする姿を見ることで、自分もまねまねしたくなり、なおかつ身近にあるものをまねまねに使うためのヒントをくれるのも、この絵本のとても楽しいところです。
最後は驚きのティラノサウルス
さて、こうして色々な生き物をまねまねしてきたオオカミは、最後に最大級の生き物と出会います。
それがティラノサウルス。
これには、「うわぁー!ティラノサウルスだー!」と、オオカミも子どもたちもびっくり仰天。
「おっきい!」
「食べられちゃう!」
と、これまでの生き物たちとはまったく違う反応で盛り上がります。
そりゃ、これまでの無害な生き物と違い、のんびりしていたらパクリと食べられてしまいそうなのだから、当然です。
この、最後の最後に予想外すぎるティラノサウルが登場するというのも、この絵本のとても盛り上がる楽しいところ。
ワーワーキャーキャーと盛り上がっているところから、これまでとは一風変わったまねまねの仕方で、まねまね物語をきれいに締めてくれますよ。
二言まとめ
オオカミが、様々な道具を使い、出会った生き物をまねまねしていく姿がおもしろい。
見たら、自分も身近な道具でなにかにまねまねしたくなる、まねっこ絵本です。
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