作:林木林 絵:はたこうしろう 出版:すずき出版
雲から見たら、ぼくらはどんな風に見えるんだろう?
寝転がっていたら、地球をおんぶしてるみたい?
そんな、視点を変えるおもしろさが詰まった童謡絵本です。
あらすじ
男の子は考えました。
草の上で大の字になったら・・・
地球をおんぶしているみたいに見えるかもしれない。
どこまでも走ったら・・・
地球の上で玉乗りしているみたいに見えるかも。
うつ伏せで日向ぼっこしていたら・・・
地球をだっこしているみたいに見える?
麦わら帽子でトンボを捕まえたら・・・
地球に帽子をかぶせているみたいに見えるかも。
逆立ちになったら・・・
地球を両手で支えているみたい?
男の子は空の雲に聞いてみた。
「どんなふうに見えてるの?」
『どんなふうにみえてるの?』の素敵なところ
- 視点を変えて見るおもしろさ
- 童謡「どんなふうにみえるの?」が絵本になった
- 試してみたくなるいろんなポーズ
視点を変えて見るおもしろさ
この絵本のなによりおもしろいところは、自分と違う視点で見る体験ができるところでしょう。
日頃自分がやったことのある、寝転んだり、走ったりする動作。
自分視点では当たり前のようにやっていて、そこから見える景色も当たり前だけれど、この絵本では少し違います。
その動作が、空の雲から見た、とても高い視点から見た構図で描き出されるのです。
自分から見たら平らな地面ですが、雲の視点から見たら、丸い地球。
そのうえで、寝転んだり、走ったりしている子を見たら、見え方も大きく違うでしょう。
でも、それをなんの助けもなしに想像し、そのおもしろさを感じるのはけっこう難しい。
その、間を取り持ってくれるのがこの絵本なのです。
わかりやすくかわいらしい絵で、雲から見た視点を描き出すことで、
「高いところから見たら、地球は丸く見えるもんね。」
「地球は回ってるから、本当に玉乗りに見えるかも。」
「遠くから見てるから、違って見えるんだ!」
と、空から見た感覚が子どもたちにも伝わります。
この、視点を変えて見るおもしろさを味わうための、第一歩となってくれるのが、この絵本のとても素敵なところです。
この体験を通して、「他のものから見たら、どんなふうに見えるんだろう?」という新たな疑問と遊びへも繋がっていくことでしょう。
童謡「どんなふうにみえるの?」が絵本になった
そんな、視点を変えて見るこの絵本ですが、誰の視点か最初はわからないのも、この絵本のおもしろいところとなっています。
そんな、この絵本ですが、実は童謡の「どんなふうにみえるの?」を絵本化したものになっています。
なので、元々歌を知っていたら、それが絵で見るおもしろさが、
歌を知らなかったら、この絵本をもとに歌を歌ってみる楽しさが味わることでしょう。
この歌を歌いたいと思った時に、読みながら歌えば、子どもたちはすぐに覚えてしまうでしょう。
反対に、歌わず、そのまま物語として見ても、とてもおもしろいのでおすすめです。
歌いながら読むと、どうしても子どもたちとの対話が少なくなってしまいがち。
「じゃあ、太陽から見たらどうなんだろう?」
「雨だったら落ちながら見るのかな?」
「こんな格好ならどう見えるかな?」
など、おもしろい会話が生まれやすいこの絵本だと、もったいなく感じてしまいます。
この、歌っても歌わなくてもおもしろいところも、この絵本の素敵なところ。
ぜひ、色々な読み方で楽しんでみてください。
きっと、リズムと言葉の両方で、自分の目を雲のもとまで送り届けてくれると思いますよ。
試してみたくなるいろんなポーズ
さて、こうして雲から見たらどんな風に見えるのかを楽しんだら、自然と色々なことが頭に浮かんできます。
「ジャンプしたらどんなふうに見えるんだろう?」
「くしゃみをしたら、地球を吹き飛ばしてるように見えるかな?」
「傘を差してたらどんなふうに見えるんだろう?」
などなど、他のよくしている動きがどう見えているのか気になってくるのです。
ほかにも、雲以外だったらどんなふうに見えているのかも、気になるポイント。
太陽は?月は?星は?地球は?
それぞれの視点になったらということも、同時に頭に浮かんできます。
「太陽だったらまぶしくて見えないかもよ。」
「月だったらまっくらで見えないかもしれない。」
と、それぞれの特徴を踏まえながら考えていました。
この、絵本を見終わった後に、自然と色々な視点やポーズを想像してしまうのも、この絵本のとてもおもしろく素敵なところです。
一緒に色々な見え方を想像する楽しい時間を、子どもたちとお楽しみください。
二言まとめ
雲の視点から見ると、自分たちの動きが、全然違う見え方をしておもしろい。
見たら、色々な場所に視点を移して遊びたくなる、童謡絵本です。
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