作:C.V.オールズバーグ 訳:村上春樹 出版:あすなろ書房
一度はやったことがあるであろうボードゲーム。
そのマスには奇想天外なことが書かれていて、読んでいるだけでドキドキワクワク。
でも、そのマスに書いてあることが現実になったら・・・。
それは楽しいだけでは済まされないかもしれません。
あらすじ
ある家にジュディーとピーターという姉弟がいました。
両親が出かけるので二人は留守番することになりました。
始めはおもちゃで遊んでいましたが、飽きてきて公園に遊びに出かけました。
二人はそこで置いてあるボードゲームを見つけました。
そして、そのボードゲームを持って帰り、やってみることにしました。
そのゲームはジャングル冒険ゲームでした。
ゴールのマスには「ジュマンジ」と書いてあります。
説明書にはジャングルの奥からスタートし、黄金都市ジュマンジに到着して「ジュマンジ!」と叫んだ人の勝ちと書いてありました。
さらに、途中でやめることは出来ないとも。
まずはピーターがサイコロを振ります。
止まったマスには「ライオンが襲い掛かる」と書いてありました。
すると、ピアノの上に本当にライオンが現れたのです。
二人は逃げました。
なんとか、寝室にライオンを閉じ込めゲーム版の前へ戻ってきました。
次にジュディーがサイコロを振りました。
「猿に食べ物を盗まれる。順番を一回抜かす」と書かれています。
台所から物音がしたので覗いてみると、そこには10匹を超える猿がいました。
その後も、雨が降ったり、案内人が現れたりと、様々なことが起こります。
二人は無事にゴールすることが出来るのでしょうか。
『ジュマンジ』の素敵なところ
- サイコロを振るたびに起こるドキドキの展開
- その情景を描く、とてもリアルな絵
- 最後の場面の物凄いハラハラ感
この絵本の面白いところはなにが起こるのか全く見当がつかないところです。
ライオンが現れ、猿が現れと動物だけじゃなく、雨が降ったり、案内人という人間まで現れます。
サイコロを振るたびドキドキのジュディーとピーターとまさに同じ気分。
マスに書いてあることを読み上げるたび、子どもたちも「猿!?」「人間でよかった!」など登場人物になりきったかのような声が上がります。
そして、二人が動物を見つけると「本当に出てきた!」と驚きの声を上げるのです。
その盛り上がりを支えているのはとてもリアルに描かれた絵です。
動物も人間も本物そっくり。
「本当に出てきちゃった」と思わせてくれます。
マスに書いてあることを読んで、頭に浮かんだイメージを形にしてくれます。
なので、より没入感が増すのだと思います。
最初からドキドキしっぱなしでしたが、最後の場面はさらに盛り上がります。
ジュマンジはすぐそこなのに、たくさんの危険が一気に襲い掛かります。
二人は急いでゲームを進めます。
それを見ている子どもたちも「来ちゃう!」「急いで!」とまるで本当に絵本の中にいるみたいです。
文章量は多いですが、物凄い没入感とハラハラドキドキが味わえる本当におもしろい絵本です。
コメント