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うちゅういちのたかいたかい(3歳~、絵本)

作:ホッシーナッキー 出版:中央公論新社

子どもたちが大好きなたかいたかい。

お父さんはより高く上げるため、筋トレを始めます。

目指せたかいたかい宇宙一!

目次

あらすじ

男の子がお父さんにたかいたかいをしてもらっています。

楽しかった男の子は、お父さんにもっと高くしてほしいと頼みました。

お父さんは張り切って、筋トレを始めます。

筋トレの結果、お父さんの筋肉はモリモリに。

たかいたかいをすると、木よりも高く、

屋根よりも高く、

ビルよりも高く、たかいたかいをしてくれました。

でも、男の子はもっと高くしてほしいと頼みます。

お父さんは、さらに厳しい筋トレを始めました。

新幹線を引っ張ったり、

すごい重量のバーベルを持ち上げたり・・・

厳しい筋トレの結果、お父さんの筋肉はムキムキに。

たかいたかいをすると、富士山より高く、

飛行機より高く、

ついにお月さまより高く、宇宙までいってしまいました。

大喜びの男の子。

ですが、その時大きな音がし始めました。

なんと、巨大な隕石が男の子に迫ってきていたのです。

一体、宇宙一のたかいたかいはどうなってしまうのでしょうか?

おしまい!

『うちゅういちのたかいたかい』の素敵なところ

  • 常識をぶち破るたかいたかいにびっくり仰天
  • 筋トレというパワープレイ過ぎる解決策がわかりやすい
  • クスッと笑える最後のオチの言葉遊び

常識をぶち破るたかいたかいにびっくり仰天

この絵本のなによりおもしろいところは、際限なく高くなっていく高い高いに度肝を抜かれることでしょう。

最初は、普通の高い高い。

とても平和な光景です。

ですが、男の子の「もっと高くして」という言葉で雰囲気が一気に変わります。

筋トレを始めるお父さん。

筋トレの結果、木を越え、屋根を越え、ビルまで越えてしまうのです。

これには子どもたちもびっくり仰天!

木より高いくらいだと「すごーい!」と普通に驚くくらいでしたが、屋根やビルを越え始めると話は別。

そんな高くなるの!?

腕長すぎー!!

どこまでいっちゃうのー!?

ページをめくるたび、驚きが更新されていくのです。

ただ、こんなものでは終わりません。

たかいたかいの域を飛び越え、富士山も、飛行機も、大気圏も越えていくたかいたかい。

それに合わせて、驚きが大きくなっていく子どもたち。

絵本のスケールが大きくなるたび、驚きも大きくなっていくという、シンクロ具合が読んでいてたまらなくおもしろい

してほしい反応を、思いっきり返してくれる一体感が感じられることでしょう。

この、常識を超えてどんどん高くなっていくたかいたかいに、驚きもどんどん大きくなっていくビッグウェーブに乗っているような楽しさが、この絵本のとてもおもしろく、みんなで大笑いできるところです。

筋トレというパワープレイ過ぎる解決策がわかりやすい

そんなどんどん高くなっていくたかいたかいですが、高度の上げ方はいたってシンプル。

筋トレです。

腕で上げているのだから、その腕を鍛えれば高くなるのは自然界の摂理。

とてもシンプルな理論です。

お父さんが筋トレをすると、見るからに腕が太くなります。

すると、たかいたかいがより高く上がります。

さらに筋トレをして、腕がより太くなります。

さらに高く上がります。

このシンプルさが実にいい!

わかりやすさゆえに、子どもたちも展開を予想しやすくワクワク感が止まりません。

ただでさえ、すでにビルを越え十分な高さに達しているのに、そこからさらに筋トレをするというのです。

そりゃ、子どもたちも、

もっと高くするの!?

これ以上高くなったら危ないよ!

わかった!宇宙までいくんだ!

と、その後の展開が気になってしょうがありません。

しかも、筋トレ方法が新幹線を引っ張るなど、これまた子どもたちを驚かせてくれるからおもしろい。

尋常じゃない筋トレ+太すぎる腕=すごい高さ

という、とてもシンプルな計算式が明快に示されているのです。

このシンプルさのおかげで、余分なことは考えず、驚きと笑いをおもいきり楽しむことができます。

この、筋トレをすることで高さを無限に上げていくという、シンプルだけど常識外れというわかりやすいおもしろさも、この絵本の誰もが楽しめる素敵なところです。

クスッと笑える最後のオチの言葉遊び

さて、そんな筋トレとたかいたかいにすべてをかけた絵本ですが、最後にかわいいオチが待っています。

最後のページで描かれるのは、たかいたかいが終わって、うちに帰ってきた場面。

そこでのお父さんの姿と、一言がとても平和でクスッとさせられるものになっています。

きっと、100%の力を超えたひずみなのでしょう。

物語の最中は笑いと驚きで気づかなかったお父さんの頑張りが、その場面に凝縮されているのです。

さらに、最後の一言のインパクトがすごい。

「たかい たかーい」という、物語中の決まり文句にかかっていて、絶妙にクスッとさせられる言葉遊びになっているのです。

しかも、「たかい たかーい」の時の、テンションを上げてくれる雰囲気と正反対なのがなおさらおもしろい。

この言葉を言われたら、優しく腕をなでてあげたくなることでしょう。

この、頑張りすぎたお父さんの、センスあふれる最後のオチの素晴らしさも、この絵本のとても素敵なところです。

お父さんお疲れ様!

二言まとめ

ページをめくるたびどんどん高くなっていき、最後は宇宙にいってしまうたかいたかいがおもしろすぎる。

高さを上げる方法が筋トレという、わかりやすいパワープレーだからこそ、誰もが楽しく大笑いできるお父さん絵本です。

登る保育士ホイクライマー
保育士
絵本大好きなクライミングが趣味の保育士/保育士歴12年/クライミング歴10年
年間200冊以上読み聞かせをしてきた経験を元に、絵本の紹介をしています。
専門書や学術書を読むのも好き!
その中から、日々の保育や子育てに役立ちそうな知識も、深め・濃いめ・具体例多めで、紹介しています。
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日本全土を保育・教育沼に引きずり込んでいく予定です。
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