作:わたなべあや 出版:ひかりのくに
野菜たちが皮を脱いですっぽんぽーん!
野菜ごとの皮の脱ぎ方が特徴的でおもしろい絵本です。
みんなすっぽんぽんになったあとは・・・?
あらすじ
トウモロコシちゃんが1人でぬぎぬぎ頑張ります。
頭の先から皮を引っ張り・・・
すっぽんぽんになりました。
キャベツちゃんが1人でぬぎぬぎ頑張ります。
足元から外側のかたい皮を脱いでいき・・・
すっぽんぽんになりました。
トマトちゃんが1人でぬぎぬぎ頑張ります。
頭のへたを引っ張って・・・
すっぽんぽんになりました。
ジャガイモちゃんが1人でぬぎぬぎ頑張ります。
くるくるまわりながら皮をむいて・・・
すっぽんぽんになりました。
タマネギちゃんが1人でぬぎぬぎ頑張ります。
皮をむいて、どんどんむいて、どんどんどんどんむいて・・・
むきすぎて、タマネギちゃんがいなくなっちゃった!?
と、思ったら・・・。

おしまい!
『すっぽんぽーん』の素敵なところ
- 野菜それぞれの脱ぎ方が特徴的でおもしろい
- 思わず言いたくなっちゃう決めゼリフ
- 野菜たちと一緒に脱ぎたくなる、脱がしたくなる
野菜それぞれの脱ぎ方が特徴的でおもしろい
この絵本のとてもおもしろいところは、野菜の皮を服に見立てて、どんどん脱いでいくところです。
確かに野菜って、皮をむいたら、服を脱いですっぽんぽんになったように見えますよね。
その皮の脱ぎ方も特徴的で、まさに本当の皮むきと同じ。
トウモロコシなら頭からガシガシむくし、
トマトならへたを取るだけ、
ジャガイモなら回りながら帯状に皮がむかれていく
と、台所での下ごしらえとまったく同じむきかたになっているのです。
この現実の皮むきとリンクする、野菜たちのぬぎぬぎが特徴的でおもしろい。
しかも、子どもが頑張って脱ぐ時のような、一生懸命さがとてもかわいい。
子どもたちも、

これやったことある!



トマトさん簡単だね!



ジャガイモさん目が回ってる~
と、自分が皮むきを手伝ったときのことを思い出したり、それぞれまったく違う脱ぎ方をする様子を楽しそうに見ていました。
この、皮むきと連動した、野菜ごとに特徴的な服の脱ぎ方がかわいくておもしろいところが、この絵本の素敵なところです。
思わず言いたくなっちゃう決めゼリフ
こんな風に、野菜たちが皮を脱いでいく繰り返しのこの絵本。
野菜それぞれに、脱いだあとの決めゼリフが用意されています。
この決めゼリフが、野菜たちにぴったりで、つい一緒に言いたくなってしまうのも、この絵本の素敵なところ。
トウモロコシなら「すっぽんぽーん!」
キャベツなら「するりんぽーん!」
ジャガイモなら「じゃんじゃがじゃーん!」
というように、野菜とキャラクター性にぴったりなものになっています。
この魅力的な語感とリズムの決めゼリフに、最初は見ているだけだった子どもたちも、繰り返し読むうちに自然と自分も言うように。
この、聞いているだけで自分も言いたくなってしまう、すっぽんぽんの決めゼリフも、この絵本のとても魅力的なところです。
野菜たちと一緒にぬぎぬぎしたくなる
そんな魅力あふれる野菜たちのぬぎぬぎ。
見ていたら、野菜の皮むきをしたり、自分も一緒にぬぎぬぎしたくなるのが子どもというもの。
ジャガイモ以外は、小さな子にも皮むきしやすいものになっているのですぐできます。
しかも、すっぽんぽんにするというのはとてもわかりやすく、教えやすい。
皮がむけていないところは、



ここすっぽんぽんになってないよ
というだけで伝わります。
また、脱がすだけじゃなく、脱ぎたくなってしまうのも、この絵本のすごくありがたいところ。
脱ぎ始める前に「〇〇ちゃん ひとりで ぬぎぬぎ できるかな?」という決まり文句があり、これを子どもに言ってみると効果絶大。



まかしといて!



もっちろん!
と、野菜のセリフで野菜のセリフで応じてくれます。
そして、野菜を脱がせたときも、自分が脱いだときも、終わったあとに、



すっぽんぽーん!
と言えば、盛り上がること間違いなし!
野菜の皮むきや、服を脱ぐのが、とてもおもしろい遊びに早変わりするのです。
この、野菜が1人でぬぎぬぎする姿を見て、野菜を脱がせたり、自分も服を脱ぎたくなるところも、この絵本のとても素敵で日々の暮らしををより楽しくしてくれるところです。
二言まとめ
野菜たちが頑張って皮を脱ぎ、すっぽんぽんになる姿がかわいくっておもしろい。
見たら、自分も服を1人で脱いだり、野菜の皮を脱がせたりしたくなる、野菜のぬぎぬぎ絵本です。
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