作:大塚いちお 出版:福音館書店
色々な丸いものを探します。
積み木、時計、メロンなど、身の回りには丸いものがたくさん。
次は、どんな丸いものが見つかるかな?
あらすじ
転がる丸を見つけました。
それは・・・丸い積み木。
チクタクチクタク音のする丸を見つけました。
それは・・・時計。
果物の中に大きな丸を見つけました。
それは・・・メロン。
縦に4つ並んだ丸を見つけました。
それは・・・洋服のボタン。
おやつの時間に2つの丸を見つけました。
それは・・・穴の開いたドーナツ。
まだまだ見つかる丸いもの。
次に見つけるのはどんな丸?

おしまい!
『まるみつけた』の素敵なところ
- たくさん見つかるいろんな丸
- クイズ形式の楽しい丸探し
- 見たらあとに、身近な丸を探しにいきたくなる
たくさん見つかるいろんな丸
この絵本のなにより楽しいところは、たくさんのいろんな丸を見つけることができるところでしょう。
しかも、見つかる丸はどれも身近なものばかり。
積み木、時計、メロン、ボタン・・・と、見たことのあるものがたくさん出てきます。
中でも、積み木や時計、ボタンなど、その場で見つかるものは、
おもちゃ箱から積み木を出して「いっしょ!」と見せてくれたり、
壁の時計を「あった!」と指差ししたり、
自分の洋服についたボタンをまじまじ見たり、
身近で馴染みがあるものだからこそ、自分でもすぐに見つけ、丸を見つける楽しさを味わっているようでした。
また、ドーナツなど丸の中に丸があったり、目玉焼きなどまん丸じゃない丸など、バリエーションも豊富。
子どもたちの丸への認識を広げてくれます。
この、身近なものからいろんな丸を見つけることで、丸い形のおもしろさや、身近にたくさんあることへ気づかせてくれるのが、この絵本のとても素敵で楽しいところです。
クイズ形式の楽しい丸探し
そんな、丸を見つけるのが楽しい絵本ですが、クイズ形式になっているのも丸探しがもっと楽しくなるところ。
この絵本では、
「ころころ ころがる まる みつけた」
と、ヒントとともに、シルエットのような丸が現れます。
そして、ページをめくると、リアルに描かれた積み木が出てきて、答えがわかる流れとなっています。
このクイズ形式が、子どもを惹きつけてやみません。
丸が出てきたとたん、

まる!



なんだろ~?
と、指差ししたり、首をひねって考えるポーズをとる子どもたち。
ページをめくり答えがわかると、



時計!



ボタンいっしょ!
と、出てきたものに、また目を奪われてしまいます。
このワクワクと驚きが絶えない楽しさは、まさにクイズ形式だからこそだと言えるでしょう。
この、クイズ形式で丸を見つける楽しさと、ページをめくると自分たちのよく知っている丸いものが出てくる嬉しさも、この絵本のとても楽しく盛り上がるところです。
見たあとに、身近な丸を探しにいきたくなる
こうして、色々な丸を見つけると、自分の近くにある丸も探しに行きたくなるというもの。
最後のページの「さがしにいこう!」という文章も手伝って、読み終わったら丸探しが始まります。
絵本を読んだあとの子どもたちの丸センサーは、絵本を読む前とは感度が桁違い。
小さなネジ、床の模様、こぼれた水滴・・・
など、大人でも気づかないような丸にも気づき教えてくれます。
また、丸探しをしていないときも、これまでより丸への意識が強くなり、
食卓のトマト、ビンのフタ、シャベルの先・・・
など、不意に丸を見つけることも増えるからおもしろい。
絵本の中で身近な丸を色々見ることで、丸という形への興味が高まった結果なのでしょう。
この、丸への興味が高まって、自分でも丸を探したくなり、丸を見つけることでもっとたくさんの丸が見つかるという、楽しい発見の連鎖につながるところも、この絵本のとても子どもたちを夢中にさせてくれるところです。
二言まとめ
クイズ形式で、身近なものの中にある丸を見つけていくのがとても楽しい。
見たら、自分も身近な丸を探しに行きたくなる、丸の魅力と魔力が詰まった形の絵本です。
コメント