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こいのぼりセブン(3歳~,絵本,行事)

作:もとしたいづみ 絵:ふくだいわお 出版:世界文化社

ある日、子どもたちのもとへ、こいのぼりセブンが飛んできました。

子どもたちと一緒に散歩へ行き、コイの餌やりをします。

すると、子どもたちから、池にいるコイがなぜ空を泳ぐこいのぼりになったのかという疑問が。

そこで、こいのぼりセブンは、コイがこいのぼりになった理由を教えてくれました。

目次

あらすじ

ある日、保育園のこいのぼりに向かって、こいのぼりセブンが空から飛んできました。

子どもたちが驚きつつも、散歩に出かけていくと、こいのぼりセブンも一緒についてくることに。

公園の池に着くと、そこにはたくさんのコイがいて、子どもたちは大喜びです。

そこでこいのぼりセブンは、子どもたちに持ってきたコイのエサを渡し、コイの餌やりが始まりました。

コイに餌をあげていると、れおくんとさつきちゃんが、

「なんで、水の中にいるコイがこいのぼりになって空を泳いでいるの?」

「なんで他の魚じゃなくてコイなの?」

とこいのぼりセブンに聞きました。

すると、こいのぼりセブンは、2人を昔の中国に連れていき、その由来を教えてくれました。

こいのぼりセブンとれおくんとさつきちゃんは、雲の上に乗り、大きな滝を見ています。

大きな滝には、何匹もコイがいて滝を一生懸命登っていました。

2人は、池でエサを食べているコイしか見たことがないのでビックリ。

滝を登るコイを見ていると、その中の1匹が滝の上まで登っていきます。

3人はコイを応援しました。

と、その時、滝を登りきったコイは龍になり大空へ飛んでいったではありませんか。

龍の姿を見て驚く2人に、こいのぼりセブンは、

「中国では激しい流れの滝を登ることができたコイは龍になると言われていたんだ。」

と、教えてくれました。

だから、子どもが元気でたくましく育つようにと、こいのぼりを立てるようになったのだと。

納得する子どもたちを見て、こいのぼりセブンは1つクイズを出しました。

そのクイズは、「こどもの日に食べるものと言えば?」

子どもたちは考えたあと、柏餅と答えましたが、ちまきと答える子もいます。

すると、こいのぼりセブンは柏餅とちまきの両方をバッグから出してくれました。

こいのぼりセブンは子どもたちと柏餅やちまきを食べながら、

柏餅は「家族が長生きできますように」という願いを込めて食べ、

ちまきは「悪いことがおきませんように」と願いを込めて食べる。

と、どちらも正解なのだと教えてくれました。

子どもたちに教えながらどんどん柏餅を食べるこいのぼりセブン。

先生に、食べ過ぎると後で困ったことにならないかと言われ、こいのぼりセブンは照れながら食べるのをやめたのでした。

その姿を見て、子どもたちも大笑い。

こいのぼりセブンは、空へと帰っていったのでした。

少し体が重たそうな様子で・・・

おしまい!

『こいのぼりセブン』の素敵なところ

  • みんな大好きなヒーローが、こいのぼりのことをわかりやすく教えてくれる
  • 子どもの素朴な疑問から繋がるこいのぼりの由来
  • 説明が難しいこどもの日の食べ物も、簡潔に込められた願いを教えてくれる

みんな大好きなヒーローが、こいのぼりのことをわかりやすく教えてくれる

この絵本のなにより子どもたちのテンションが上がるところは、よく知っているヒーローが行事について説明してくれるところでしょう。

あくまで、ウルトラマンとは説明されていませんが、どう見てもウルトラマンセブンです。

ヒーロー好きの子どもたちは、表紙を見ただけで、

うわ!ウルトラセブンだ!

セブンが絵本になってる!

と大興奮。

知っている子だけでなく、知らない子もヒーローというのはテンションが上がるようで、ウルトラマンを見ていない子も盛り上がっていたのが印象的でした。

もちろんセブンらしく、空か飛んでくるし、着地のポーズもかっこいい。

帰る時にも、空へ帰っていくなど、これでもかと憧れのヒーローっぷりを発揮してくれるのです。

そんなよく知るヒーローが一緒に散歩へついてきてくれ、行事のことを説明してくれるのだからたまりません。

子どもたちは、目をキラキラさせながら、こいのぼりセブンの姿を追いかけます。

この、みんながよく知るヒーローが、子どもたちと一緒に遊び、行事のことまで教えてくれるという夢のようなシチュエーションに夢中になってしまうところが、この絵本のとても素敵なところです。

ヒーローの力で、行事にあまり興味がなかった子まで、こいのぼりや柏餅へ興味を持たせてしまったりするからすごいですよね。

スタンダードな行事絵本としてだけでなく、ウルトラマンが好きだけど行事には興味がない子が、行事へ興味を持つきっかけの絵本としてもオススメです。

子どもの素朴な疑問から繋がるこいのぼりの由来

そんなヒーローが行事について教えてくれるこの絵本。

行事の話の中心は、こいのぼりの由来となっています。

このこいのぼりの説明が、子どもたちの素朴な疑問から繋がっているのも、この絵本の素敵なところとなっています。

由来だけ教えられても「ふーん、なるほど」で、終わってしまいがち。

ですが、子どもからの、

コイは水の中を泳いでるのに、なんでこいのぼりは空を飛んでいるんだろう?

なんで他の魚じゃなくて、コイだったんだろう?

という、コイの餌やりをしながら感じた疑問が元になっていると興味の持ち方が違います。

子どもたちも、

確かに、なんでコイなんだろう・・・?

と、その疑問に共感していました。

さらに、説明も実際に昔の中国へタイムスリップしたかのように、雲の上からコイの滝登りを見るというもの。

目の前で激しい滝を登るコイに、登りきって竜に姿を変える神々しい姿など臨場感抜群で、子どもたちも盛り上がります。

そんな力強く神々しいコイの姿を見たうえで、

「子どもがコイのように、元気でたくましく育つようにと願って、こいのぼりを立てるようになったんだよ。」

と言われれば、

なるほど~

とこいのぼりの由来がストンと腑に落ちます。

見たあとに、子どもたちが公園でコイを見た時、

このコイがこいのぼりになったんだよね!

と、嬉しそうに確認する姿からも、自分の生活の中でコイとこいのぼりが繋がっているのを感じることができました。

この、子どもたちに身近な池のコイから、こいのぼりの由来へと繋がることで、こいのぼりに込められた願いが子どもたちにとてもわかりやすく実感を持って伝わるのも、この絵本の素敵なところです。

説明が難しいこどもの日の食べ物も、簡潔に込められた願いを教えてくれる

こうして、こいのぼりの由来や願いについて教えてくれたこいのぼりセブン。

こいのぼりだけじゃなく、こどもの日に食べるものについても教えてくれます。

こどもの日に食べるものとは、柏餅とちまきです。

実はこの2つ、説明がけっこう難しい・・・。

大体出てくる説明が、

柏餅は、子孫繁栄を願って食べる。

ちまきは、魔除けの効果がある。

というもの。

この柏餅とちまきの説明を噛み砕いて伝えるのが、意外と難しいんですよね。

ですが、この説明を非常に簡潔かつわかりやすく伝えてくれるのです。

その柏餅とちまきの説明が、

柏餅は「家族が長生きできますように」

ちまきは「悪いことが起きませんように」

というわかりやすいもの。

言われてみると、簡単にまとめられるように思えますが、自分で考えていると意外とここまで簡潔にまとまらなかったりするので、行事の説明などで悩んでいる人は、このまま使えば簡単に子どもたちへ伝わります。

3歳くらいの子へは、この絵本の説明をしてから、願いを込めて柏餅やちまきを食べる。

4歳以上の子などへは、この説明をしたうえで、柏の葉の説明など、もう一歩詳しい説明をするのもおもしろいと思います。

どちらにしても、柏餅やちまきの説明をする入口として、ここまで簡潔にまとめられたものはないでしょう。

この、説明が難しくなりやすい柏餅やちまきについても、とてもわかりやすく簡潔に説明してくれるのも、この絵本の素敵でありがたいところです。

保育園でこどもの日の行事担当になった人などは、特に参考になると思いますよ。

二言まとめ

ヒーローが一緒に遊びながら行事について説明してくれるという、夢のようなシチュエーションに目がきらめく。

こいのぼりや柏餅・ちまきに込められた由来や願いを、3歳くらいの小さな子にもわかりやすく伝えてくれるこいのぼり絵本です。

登る保育士ホイクライマー
保育士
絵本大好きなクライミングが趣味の保育士/保育士歴12年/クライミング歴10年
年間200冊以上読み聞かせをしてきた経験を元に、絵本の紹介をしています。
専門書や学術書を読むのも好き!
その中から、日々の保育や子育てに役立ちそうな知識も、深め・濃いめ・具体例多めで、紹介しています。
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