作:あきびんご 出版:くもん出版
お腹がゴロゴロし始めるとさあ大変。
じゃあ、雲や月や山のお腹がゴロゴロしてきたら・・・。
それはもう一大事に違いありません。
あらすじ
広い海の上を旅してきた雲は、疲れからお腹の調子がよくありません。
体は黒くなり、ゴロゴロ音が鳴っています。
やっと陸地に着くと、そこには山がありました。
雲は山の上で休ませてもらうことにしました。
ゆっくり休んで元気になった雲は、体もすっかり白く戻りました。
旅立ち間際に雲はお礼に大きなソフトクリームを山のてっぺんに置いていきました。
暗くなり、お月さまがソフトクリームに気付いてペロリ。
そのおいしさに全部食べてしまいました。
すると、お月さまのお腹もゴロゴロなり始めました。
お月さまは空に帰ろうとしましたが、フラフラと山の上に落ちてしまいました。
慌てて山が抱き留めますが、お月さまからいい匂いが・・・。
たまらず山がお月さまをなめてみるとその美味しいこと。
山はもう止まりません。
どんどんお月さまを食べていきました。
満腹になって太った山ですが、お腹の中がゴロゴロと鳴り出しました。
山はどんどんおかしくなり、ゴロゴロはますますひどくなっていきました。
山は一体どうなってしまうのでしょう。
『ゴロゴロゴロ』の素敵なところ
- 自然現象とお腹の具合を組み合わせたおもしろさ
- 月を食べたりと予想外の展開の数々
- お腹はスッキリだけど、なんだかスッキリしない最後
雷の発生や、月の満ちる様子などをお腹の具合と関連付ける発想力は本当に面白い。
この絵本を読んでから雷雲を見ると、本当にお腹の具合が悪そうに見えてくるから不思議です。
壮大な自然現象もなんだか身近に感じられます。
面白いのはその発想だけではありません。
ナンセンス絵本にも匹敵する予想外の展開の数々です。
雲はまさかのソフトクリームを残していきますが、どう考えても描かれ方がウンコです。
そのソフトクリームがどうなるのかと思えば食べるのはまさかの月。
さらにその月を山がバリバリ食べてしまうからびっくりです。
自然界の厳しさもなんとなく伝わってきます。
そして、最後の山のお腹の具合はこれまでの比ではありません。
どう考えても非常事態。
これにはこれまで笑ってみていた子も真剣な表情に。
そして派手にお腹がスッキリ!
綺麗に終わったかと思いきや、最後のページを見た子どもから「えー・・・」という言葉。
平和だけど絶妙にスッキリせずに終わります。
予想外の展開に「え!?」と「えー・・・」が止まらない絵本です。
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