作・絵:しのだこうへい 出版:ひさかたチャイルド
動物たちが乗る列車。
その列車は動物の特徴に合わせてカスタマイズされています。
次はどんな電車が走ってくるのでしょうか。
あらすじ
アフリカの真ん中にあるアフリカ駅に、ライオンとカバがやってきました。
2匹はあまりに暑いので、どこか涼しいところに行こうとしていたのです。
2匹はお互いが大嫌いでした。
顔を合わせるとけんかをして、お互い離れて電車が来るのを待つことにしました。
最初に来たのはゾウ列車でした。
車内は通勤のお客さんでいっぱいです。
カバとライオンは無理やり乗り込もうとしますが、弾き飛ばされて乗ることが出来ませんでした。
次に来たのはシマウマ列車でした。
ですが、シマウマたちはライオンを見るなり「食べられちゃう!」と大騒ぎ。
ドアも開けずに走り去っていきました。
次はフラミンゴ列車でした。
カバとライオンが乗ろうとしましたが、床も天井もありません。
飛べない2匹はまた乗ることが出来ませんでした。
カバとライオンは暑い日差しの中、列車に乗れず待つしかありませんでした。
そこに来たのはシロクマ列車でした。
2匹はようやく乗ることが出来ました。
中は冷蔵庫の中のように冷たく、カバとライオンは大喜び。
・・・でしたが、時間が経つにつれ段々寒く、凍えてきました。
カバとライオンはこのまま凍ってしまうのでしょうか。
『どうぶつれっしゃ』の素敵なところ
- 次々に来る動物の特徴を捉えた列車
- カバとライオンのお互い様なやり取り
- めでたしめでたしにならない笑えるオチ
この列車の見どころはなんと言っても次々にやってくる列車でしょう。
「ガタンガタンガタン」という音が聞こえてくると、「次はどんな列車だろう?」とワクワクしてきます。
やってくる列車も特徴的。
フラミンゴ列車やチーター列車は思わず、「なるほど」と思ってしまいます。
子どもたちもそれを見て、「フラミンゴだもんね」「チーターだもんね」と当たり前のように受け入れているから面白い。
子どもの考える動物の特徴をよく表しているからでしょう。
そんな色々な電車に対する、カバとライオンのお互い様なやり取りもこの絵本の見どころです。
ずっとけんかをしている2匹。
ゾウ列車に乗れなかった時は、ライオンはカバのおしりのせいにします。
でも、シマウマ列車に逃げられると、今度はカバがライオンのせいだと言い返します。
その姿は本当にお互い様です。
そんな2匹の姿に「またけんかしてる」「仲よくすればいいのにね」とあきれ顔の子どもたち。
それでも、この2匹の行く末が気になり目が離せません。
仲直りした時には「よかったね!」と温かい言葉が。
そこで、「めでたしめでたし」だと思いきや、まさかのオチが待っていました!
列車好きも動物好きも楽しめるとても守備範囲の広い絵本です。
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