作:スティーブ・アントニー 訳:せなあいこ 出版:評論社
パソコンはとっても便利です。
ゲームも情報も無限に詰まっているので魅力的。
そんなパソコンの世界しか知らいない子が外に出てみたら・・・。
そこにはどんな世界が広がっているのでしょうか。
あらすじ
ロボットのビビちゃんはパソコンに繋がるのが大好きでした。
パソコンではゲームが出来るし、音楽も聞けるし、行ったことがない場所にも行けるからです。
でも、ある日電源コードが抜けてしまいました。
コードに足が絡まったビビちゃんは、外に飛び出してしまいました。
草原を転がり、森を抜け、川を流され、外の世界に来たのです。
そこには知らなかったことが一杯でした。
ウサギやバンビ、アヒルと一緒に遊んだり、歌ったたり、新しい場所に行ったり。
一日中遊びました。
でも、やがて日が沈みます。
友だちと一緒にもと来た道を戻り、家に着きました・
友だちにもさよならしなくちゃいけません。
ビビちゃんはまた、パソコンに繋がれた生活に戻るのでしょうか。
『ぬけちゃった』の素敵なところ
- 外で誰かと遊ぶ楽しさに気付かせてくれる
- それを色の対比を使いわかりやすく表現している
- 最後の粋な言葉遊び
パソコンの中で完結していたビビちゃん。
そこではなんでも出来ると思っていました。
でも、外に出たことで友だちが出来、一人では出来ないことをたくさん体験しました。
そこでのビビちゃんは本当に楽しそうに描かれます。
誰かと遊ぶことや、知らない世界を知ることがとても楽しいことに気付かせてくれます。
それを絵だけでなく、色の対比を使い表現しているのもこの絵本の大きな特徴だと思います。
家の中は白と黒で描き、外の世界は色鮮やかに描きます。
家を出た時の、色鮮やかな世界に囲まれる解放感は本当にすごいです。
きっとっそれはビビちゃんがまさに感じた感覚なのでしょう。
その表現はわかりやすく、子どもにダイレクトに届いているようでした。
「きれいだね」「楽しそうだね」という明るい声が多く聞かれました。
でも、ずっとは遊んでいられません。
帰る時間になり家に戻ればパソコンに繋がります。
その後のビビちゃんがどうしたかは語られません。
でも、最後に粋な言葉遊びを用意してくれています。
それによって、ビビちゃんのこれからの生活がわかるような気がします。
ビビちゃんの冒険を通して、広い世界へ飛び出したくなる。
そんな視野を広げてくれる絵本です。
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