おほしさまかいて!(3歳~)

絵本

作:エリック=カール 訳:さのようこ 出版:偕成社

好きなものを好きなように創っていける絵の世界。

そこにおける絵描きはまるで神様。

想像力によって、無限の世界が広がっていきます。

そんな絵を描きたくなる絵本です。

あらすじ

「お星さま描いて」と言われ、絵描きは星を描いた。

「お日さま描いて」と星に言われ、絵描きはお日さまを描いた。

「木を描いておくれ」とお日さまに言われ、絵描きは木を描いた。

「女の人と男の人を描いてくれ」と木に言われ、絵描きは女と男を描いた。

「うちを描いてもらいたい」と2人に言われ、絵描きは家を描いた。

「犬を描いてくれたまえ」と家に言われ、絵描きは犬を描いた。

その後も、猫、鳥、蝶、花、雲・・・と、次々に描いていき、世界はとても賑やかになった。

さて、次に絵描きが描くものとは。

『おほしさまかいて』の素敵なところ

  • 描いていくたびに広がる世界
  • 徐々に歳を取っていく絵描き
  • 絵を描く楽しさが詰まっていて、自分も描きたくなる

最初は何もなかった世界。

ですが、絵描きが星を描いた時から、世界はどんどん広がっていきます。

描いたものが次のものを望み、どんどん新しいものが生み出されていきます。

にくいのは雲まで描いた後のその演出です。

基本的に、一つのページに、描かれたものが一つ出てくる構成になっています。

なので、描いてきたもの同士が一緒にいる場面などは描かれません。

しかし、雲まで描いた次のページで、これまで描いたものたちが暮らしている場面を描きます。

とても明るく、賑やかで、楽しそうな情景です。

これを見ると、絵の無限の可能性を感じます。

自分の世界も作りたいという気持ちにさせられます。

そんな賑やかな絵の中で、1人、徐々に変化しているのが絵描きです。

最初は子どもなのですが、段々と大人になり、最後の場面ではおじいさんになっています。

そのおじいさんになった絵描きが最後に描いたもの、最後にする行動がとても深い。

天地創造の楽しさと一緒に、人生というものも伝えたかったのだと思わせられます。

この絵本の中には、エリック=カール流の星の描き方が手順も含めて描かれていたり、絵の具で塗りたくる場面が出てきたりと、自分でも描きたいと思わせる工夫が散りばめれれています。

絵本を見終わった時、大きなスケッチブックに、想像力の赴くまま絵を描きたくなるでしょう。

そんなスケッチブックを広げたくなるお話です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました