作:あべ弘士 出版:小峰書店
泳ぎの得意なカワウソたち。
まさか空を飛ぶことになるなんて!
空を飛ぶカワウソたちの個性的なやり取りが楽しい絵本です。
あらすじ
ある春の日、カワウソの3兄弟は獲物を捕りに川へと飛び込みました。
大きな獲物を探していると、物凄く大きな魚を見つけました。
3兄弟は一斉に飛び掛かりましたが、中々捕らえられません。
それを空から見ていたのは、大きな鳥のミサゴでした。
ミサゴは急降下して、大きな魚を掴みます。
そして、そのまま空へと急上昇。
魚に掴まっている3兄弟も空へと連れていかれてしまいました。
魚が重すぎて、ミサゴはフラフラと飛んでいきます。
3兄弟は落ちないようにしがみつきます。
ミサゴと大きな魚と3兄弟。
一体どうなってしまうのでしょうか。
『かわうそ3きょうだいそらをゆく』の素敵なところ
- ほとんど会話だけで進行していく独特の空気感
- 3兄弟それぞれの個性がよく出たセリフ
- わかりやすいけれど、意外な展開
この絵本には最初のページだけしかナレーションがありません。
それ以降は、会話と擬音だけで話が進んでいきます。
そのセリフも、それぞれが一言、二言しゃべるくらいなので、テンポよく進んでいきます。
そのリズム感や空気感が聞いていてとても心地よいのです。
セリフは短いですが、3兄弟の個性はよく表れています。
しゃべり方や、使われる擬音がしっかりと大中小を表現しているのです。
なので、読んでいる内3兄弟のことが好きになってくるのです。
そんなわかりやすくテンポ感のいい話ですが、意外でハラハラドキドキな展開が続きます。
魚との戦いかと思いきや、ミサゴが飛んできたり。
そのまま空で四苦八苦したり。
最後はさらにハラハラドキドキの結末が・・・。
そんなわかりやすくも、一風変わった冒険が出来る絵本です。
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