文:松谷みよ子 絵:武田美穂 出版:講談社
新しい傘に新しい長靴。
嬉しくて、雨が待ち遠しくなります。
待ちきれず、晴れているのに傘をさして歩いていたら・・・。
いつもと違う出会いがあるかもしれません。
あらすじ
小さな女の子のモモちゃん。
真っ赤な傘と長靴を買ってもらいました。
晴れているのに、傘をさして出かけようとするモモちゃんをお母さんが止めました。
モモちゃんがどうしてもと言うので、庭で傘をさして歩くことにしました。
モモちゃんが雨降りごっこをしていると、「いれて」と変な声が。
その声はガマガエルでした。
一緒に歩いて歌っていると、「いれて」とかわいい声が。
その声はかたつむりでした。
モモちゃんとガマガエルとかたつむりが歩いて歌っていると、「いれて」とまた声が。
今度は一体誰でしょう。
『あめこんこん』の素敵なところ
- 新しい傘や長靴を買ってもらった時のワクワク感
- モモちゃんに合わせた言葉で語られる、わかりやすい文章と言葉選び
- 素敵な歌と、素敵な出会いの繰り返し
新しい雨具を買ってもらい、雨が待ちきれない気持ちに溢れたこの絵本。
お母さんが止めても、どうしてもピカピカの長靴をはき傘をさして歩きたい。
庭を歩くモモちゃんからは、そのワクワク感が伝わってきます。
それは姿だけでなく、言葉からも伝わってきます。
この絵本の文章は、小さな子に語り掛けるような優しくわかりやすい言葉で語られています。
その優しい口調で、モモちゃんの仕草や気持ちを表現しているためか、モモちゃんの気持ちがより伝わってくるのです。
モモちゃんの少したどたどしいしゃべり方も、気持ちをストレートに伝えることに一役買っています。
そんなモモちゃんのワクワク感を最も表現しているのは、歩きながら歌う歌。
「あめこんこん ふってるもん。
うそっこだけど ふってるもん
あめふりごっこするもん よっといで」
という、楽しさやワクワク感が溢れる歌を歌うたびに新たな出会いが訪れます。
「いれて」と誰かがやってきては仲間が増えていきます。
このわかりやすい繰り返しが、この絵本の楽しいところ。
変な声や、かわいい声に「だれだろう?」と子どもたちはドキドキです。
特に最後の予想外の声の主には驚きの声が。
雨降りごっこから、たくさんの素敵な出会いへ繋がる、傘をさして出かけたくなる絵本です。
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