作:せなけいこ 出版:童心社
幽霊ってどうやって生まれるのでしょう。
実は卵から生まれるって知っていましたか?
でも、生まれたばかりの幽霊にも苦労はあるみたいです・・・。
あらすじ
昔々、木の下に赤と青と白の3つの卵が落ちていました。
通りがかった人が卵を家に持って帰りました。
うちへ帰って卵を眺めていると、赤い卵が割れて、中から小さな手が出てきました。
懐へ入りおへそを引っ搔いたのは、小さな雷の子どもでした。
雷の子どもは天まで昇っていきました。
次に青い卵が割れて中から足が出ました。
そしてそのまま走り出し、小川へ飛び込みました。
青い卵は河童の卵だったのです。
そのまま川を泳いで行ってしまいました。
最後の白い卵は中々孵りません。
温めようとしましたが、冷たすぎて温められません。
あんまり冷たくて落としてしまいました。
すると、落とした卵が割れて、中から小さな幽霊が飛び出しました。
そのままどこかへ行ったと思ったら、泣きながら帰ってきたのです。
小さな幽霊になにがあったのでしょうか。
『ゆうれいのたまご』の素敵なところ
- 幽霊や妖怪が卵から生まれるという発想
- 生まれた子どもたちの個性的な行動
- 小さな幽霊の愛くるしさ
幽霊や雷がどこから生まれるのかは知らないものの、卵から生まれると思っている人は少ないはず。
そんなまさかの発想で描かれるこの絵本。
3色の卵から何が生まれるか予想がつかないので、みんなドキドキワクワクで卵が割れるのを待っています。
そんな卵から生まれた子どもの行動は、特徴的で個性的。
雷の子どもはおへそを取れないので引っ掻きます。
河童の子どもは川へ向かって走り出します。
幽霊も幽霊らしい行動に出ますが失敗・・・。
それぞれの行動におばけらしさと、子どもらしさが出ていてほっこりします。
さて、失敗した幽霊ですが、その理由がなんとも世知辛い。
それを解決してもらった小さな幽霊は大喜び。
恨めしいはずの幽霊がニコニコと笑顔を輝かせます。
その愛くるしいこと。
子どもたちからも「よっかたね!」「幽霊だけどかわいいね!」と幽霊らしからぬ声の数々をもらっていました。
幽霊でも、子どもはかわいい。
そんな絵本です。
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