文:ジュディ・バレット 絵:ロン・バレット 訳:青山南 出版:ほるぷ出版
毎日の献立を考えるのは中々大変。
では、食事が毎日空から降ってくる町があったらどうでしょう。
献立も買い物も料理もしなくてよいのです。
そんな町があったら住みたいですか?
あらすじ
ある日、おじいちゃんからすごい話を聞きました。
遠い遠いところに、カミカミゴックンという小さな町がありました。
一見普通の町だったが、食べ物を売っている店が一軒もなかった。
この町では、朝、昼、晩の3回、空から食べ物が降ってくる。
だから、店は必要なかった。
何が降るかは天気次第。
マッシュドポテトやグリンピース、ハンバーガーの嵐の時もあった。
なので、外出する時は食器を持っていく必要があった。
そんな美味しい生活が続いていたカミカミゴックンだったが、ある日天気がおかしくなった。
一日中同じ食べ物しか降らなくなったのだ。
その後、降る食べ物がどんどん大きくなり、量も増えていった。
掃除をしていた衛生局も、掃除が間に合わなくなりついに諦めた。
その結果、店は閉まり、学校も閉鎖になった。
ついに、カミカミゴックンの人たちは町を捨てることにした。
町の人たちは無事脱出することが出来るのでしょうか。
『くもりときどきミートボール』の素敵なところ
- もしも・・・話を物凄く作り込んだお話
- 予想よりも色々降ってくる
- もしかして・・・と思わせる最後
昔、「もし空から飴が降ってきたら」「動物だけの町があったら」など、もしも話をしたことがあると思います。
そんなもしも話を思い切り真面目に、細かな設定まで作り込んで作ったのがこのお話です。
町の設定、人々の生活スタイル、そこで起きた事件など、最初は笑い半分で見ていましたが、本当にそういう町があるかと錯覚させられるくらい、真面目でリアルなのです。
そんな町で降ってくる食べ物は本当に様々。
タイトルのミートボールからは予想できないぐらい色々なものが降ってきます。
朝食用のパンに、ホットドック、巨大なゼリーなど多種多様。
驚くべきは、パンの日はバターの雨、ホットドックの時はマスタードの雲など、食べ合わせ屋付け合わせまで考えられて降ってくることです。
見ているだけで、お腹が空いてくるくらい美味しそう。
そんな美味しいカミカミゴックンの町ですが、異常気象で町を捨てることに。
そんな町を捨てた後の話が、おじいちゃんの話を聞いている孫たちとリンクする場面が最後に待っています。
ほのかに匂わせることで、色々な想像が出来る最後。
とってもにくい演出です。
もしも・・・の話をとても真面目に真剣に描いたお話です。
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