とべ、カエル、とべ!(3歳~)

絵本

文:ロバート・カラン 絵:バイロン・バートン 訳:松川真弓 出版:評論社

池に住むカエル。

そんなカエルのまわりには危険な生き物たちがたくさん・・・。

その生き物たちから逃げる姿と、逃げるたびに積み重なっていく文章が楽しくておもしろい。

癖になる絵本です。

あらすじ

ある池に、水から上がってきたトンボがいました。

そのトンボの下を泳いでいるカエルが、跳んでトンボを食べました。

水に戻ると、魚がカエルを追いかけてきました。

跳んで逃げると、今度はヘビがカエルのことを狙っています。

カエルは跳んで逃げました。

するとカメが現れて、カエルに近づいてきたので、跳んで逃げました。

色々な危険がカエルを襲いますが、そのたびに跳んで逃げます。

無事にすべての危険から逃げ切れるのでしょうか。

『とべ、カエル、とべ!』の素敵なところ

  • 「とべ、カエル、とべ!」の決まり文句を使った繰り返し
  • 危機を乗り越えるたびに積み重なっていく文章
  • 最期はまさかの「とべ、カエル、とべ!」

この絵本はカエルを様々な危険が襲いますが、全て跳んで回避します。

その時の決まり文句が「とべ、カエル、とべ!」。

ついつい一緒に言いたくなってしまいます。

また、ページの構成も「とべ、カエル、とべ!」を全力で言いたくなるように出来ています。

危険が迫った時にページをめくると、見開きいっぱいにカエルが躍動的に跳ぶ姿と「とべ、カエル、とべ!」の文字が広がるのです。

さて、そんな決まり文句だけじゃなく、普通の文章にも魅力的な秘密があります。

それはどんどん文章が積み重なっていくのです。

最初は「これは、トンボ。水から上がってきたところ。」という一文から始まります。

次に「これは、カエル。水から上がったトンボの下で、泳いでいるカエル。」と続きます。

今度は「これは魚。水から上がったトンボの下で、泳いでいたカエルの後を、追いかける」とさらに続きます。

これが、全場面繋がって、重なっていくのです。

どんどん増えるたびに「また!?」「繋がってる!」と子どもたちも叫んだり、笑ったり。

言葉遊びを感覚で楽しんでいるみたいでした。

そんな文章と構成がおもしろいこの絵本ですが、最後はカエルに絶体絶命の危機が訪れます。

これは、跳ぶだけでは脱出出来そうにありません。

そんな時、まさかの「とべ、カエル、とべ!」が!

ハラハラドキドキと、言葉遊びの面白さが見事に融合した、みんなで読みたくなる絵本です。

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