あめのひきのこは(3歳~)

絵本

原作:ステーエフ 再話:ギンズバーグ 絵:アルエーゴとデューイ 訳:くりやがわけいこ

出版:偕成社

雨が降ると、森の生き物たちはキノコの下で雨宿りをします。

小さなキノコなのに、たくさんの生き物がみんな入れてしまいました。

そこには雨の日にだけ起こる、キノコの秘密が隠されていたのです。

あらすじ

ある日のことです。

アリが歩いていると、雨が降ってきました。

アリはキノコを見つけ、その下で雨宿りしました。

小さなキノコで、アリが入るともう一杯です。

そこへチョウチョが飛んで来て、キノコに入れて欲しいと言いました。

アリは体を寄せて、チョウチョを入れてあげました。

次に、ネズミがやってきました。

入らないと思ったけれど、みんなで体を寄せ合うと入ることが出来ました。

さらに、スズメの子どもがやってきました。

やっぱり、なんとか体を寄せ合って入れてあげることが出来ました。

さらにさらに、ウサギがやってきました。

ウサギはキツネに追われていると言いました。

みんなはウサギをキノコの下にかくまってあげることにしました。

ウサギを隠すと、すぐにキツネがやってきました。

キツネはウサギの匂いを嗅ぎまわります。

ウサギは無事、逃げ切れるでしょうか。

雨はいつになったらやむのでしょう。

『あめのひきのこは』の素敵なところ

  • わかりやすい繰り返しで出てくる色々な生き物たち
  • キノコに入ろうと試行錯誤するコミカルな絵
  • キノコの特性を活かした物語

この絵本はわかりやすい繰り返しのやり取りで出来ています。

生き物が来る→詰める→キノコに入る→生き物が来る・・・。

この繰り返しがわかりやすく、安心して見られます。

同時に、次に誰が来るのかが楽しみになりワクワクします。

でも、みんなが入るキノコですが、これがとても小さいのです。

アリがやっと入れるくらいの大きさで、体を詰めるのも一苦労。

どう考えても入らなそうなキノコに、体の上に乗ったり、キノコを引っ張ってみたりと、試行錯誤する所までコミカルに描かれているのも、こういった繰り返しのお話では珍しい、面白いところだと思います。

しかし、この絵本のキノコは「絵本だからみんな入れた」というファンタジーではありません。

きちんとした理由があり、最後にそれが明かされます。

それがこの絵本の一番おもしろいところです。

「なるほど!」と思って、思わず最初からもう一度見直したくなります。

そんな、わかりやすい王道の繰り返しの中に、科学的疑問と答えも織り交ぜられている。

読んだら「そうだったのか!」と思える絵本です。

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