作:ジェニ・デズモンド 訳:福本由紀子 出版:BL出版
世界で一番大きな動物のシロナガスクジラ。
その生態はまさに神秘の塊。
そんなシロナガスクジラの秘密を覗いてみましょう。
あらすじ
ある日、男の子はシロナガスクジラの本を取り出し読み始めた。
そこには、とてつもなく大きな哺乳類で、世界で一番大きな生き物だと書いてあった。
その長さは30メートル。
色は灰色。
でも、水の中だと明るい青に見える。
お腹の下の方は黄色っぽい白に見えたりする。
それは「けいそう」という微生物がお腹にくっついているから。
シロナガスクジラの模様は全員違う。
だから、この模様と背びれの形を見て、それぞれのクジラを区別している。
シロナガスクジラの重さは160トンくらい。
メスはオスのクジラより大きい。
クジラは重すぎて、地上では生きられない。
自分の重さでつぶれてしまうから。
シロナガスクジラの目は15センチくらい。
目はよく見えないし、においも味もあまり感じない。
でも、耳は素晴らしくよく聞こえる。
皮膚もとっても敏感だ。
他にも、食事、赤ちゃん、寿命、呼吸、声など、シロナガスクジラには驚くような生態がどんどん紹介されていく。
シロナガスクジラの神秘的な魅力にどんどん引き込まれていく・・・。
『シロナガスクジラ』の素敵なところ
- 子どもの目線から見たシロナガスクジラ
- わかりやすくイメージしやすい例え
- 目を惹きつけてやまない悠々としたクジラの絵
この絵本の特徴はなんと言っても、子どもの目線から描かれていることでしょう。
そのため、言葉がわかりやすかったり、見ている子も、主人公の男の子と同じ目線で見ていけます。
この、子ども目線の一番大きなものは、わかりやすい例えです。
クジラの大きさを「トラクターとワゴン車、オートバイ、自転車、車、ボート、ショベルカー、トラックをずらっと並べたくらいの長さ」とイラスト付きで描いたり、
クジラの重さを「50~60頭のカバが山積みになったのと同じくらいの重さ」と表現したり。
他にも口の大きさや、潮吹きの高さなどでもわかりやすい例えが使われていて、そのスケールの大きさをイメージしやすいように描かれています。
さて、そのわかりやすい文章も魅力的なこの絵本ですが、一番素敵なのはシロナガスクジラの絵かもしれません。
温かみがありつつも、その堂々と悠々と泳ぐ姿は目を離せなくなるほど魅力的です。
きっと表紙のシロナガスクジラを見ただけで、その虜になってしまうでしょう。
文章や内容がまだあまりわからなくても、出てくるシロナガスクジラの姿を眺めるだけで、十分にシロナガスクジラの魅力が伝わってくるのです。
大きな体、つぶらな瞳、悠々とした泳ぎ。
どれもが目を離せなくなるほどです。
その絵とわかりやすい文章で、シロナガスクジラの不思議と魅力を全力で伝えてくれる絵本です。
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