ガスこうじょうききいっぱつ(4歳~)

絵本

作:シゲリカツヒコ 出版:ポプラ社

生活に欠かせないガス。

では、そのガスをどんな人たちが、どんな風に作っているか知っている人はどれくらいいるでしょう?

さあ、ガスが作られるまでを見てみましょう。

ちなみに、どこで使われるガス?

あらすじ

ここはとある場所にある、24時間働く工場です。

そこではおじさんたちが交代で働いています。

この工場ではガスを作っています。

材料が入ってくると、どんどん奥へ運ばれます。

ちょうどいい大きさに砕かれ、管を通り下へと落とされます。

次のエリアで、材料は時間をかけて溶かされ、さらに奥へと運ばれます。

材料は長いラインをゆっくり流れていく間に、必要のないものを取り除かれます。

工場は広く、ガスに加える香りを研究している匂い部。

大きなラッパを作る音部もあります。

さて、そうこうしているうちにガスが完成しました。

完成したらそのガスを発射します。

カウントダウンをしますが発射されません。

発射用のバルブが回らないのです。

圧力がどんどん上がり、タンクからガスが漏れ火の粉が上がります。

ガス工場に一体何が起きているのでしょうか。

そして、このガスは一体何のガスなのでしょうか。

『ガスこうじょうききいっぱつ』の素敵なところ

  • リアルすぎるおじさんたちの働く姿
  • 予想外のガスの正体
  • ガスの正体がわかると、製造過程の意味がよくわかる

この絵本を開いて、なによりも目を奪うのはリアルなおじさんたちの姿でしょう。

多種多様なおじさんが、多種多様な表情で仕事をしています。

その姿は本気そのもの。

額に汗を流しながら、真剣な表情で働くおじさんは純粋にかっこいいのです。

所々で見せる、晴れ晴れとした表情も見逃せません。

仕事が終わった時の表情などは、一点の曇りもない笑顔。

こんなにたくさんのおじさんたちの晴れやかな笑顔を見られる絵本は中々ないと思います。

そんな工場で作られるガスの正体は意外過ぎるものでした。

正体がわかるまで、「なにを作ってるんだろう?」「発射したらどうなるんだろう?」とドキドキとワクワクが止まらない子どもたち。

ですが、ガスの正体がわかったとたん大爆笑!

その次のページではおじさんたちが大歓声!

このギャップがまた面白いのです。

さて、工場内が物凄く真面目に真剣に描かれているので、最初に読んだ時にはドキドキしながら見ていたガスの製造過程。

でも、その正体を知ると製造過程の意味がわかります。

もう一度読んだ時に「これはこういうことか」と納得。

工場のことがよりわかるようになるでしょう。

真面目に真剣に伝えているがゆえに大爆笑が起こる。

緩急の使い方が巧みすぎる科学絵本です。

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