みずまき(3歳~)

絵本

作:木葉井悦子 出版:講談社

暑い日は水まきをしたくなる。

ホースで雨を降らし庭中水浸しに。

植物も生き物もみんな。

そんな水まきの気持ちよさが詰った一冊です。

あらすじ

太陽うが庭の上を通り過ぎました。

暑くてみんな昼寝をしています。

そこで女の子がホースを持って、水まきを始めます。

雨のような飛沫を避けて、ナメクジがバンガローの中で雨宿りを。

と思ったら、バンガローではなく椎茸のかさでした。

次は溜まった水の池でボウフラが立ち泳ぎ。

と思ったら、池ではなくてモウソウダケの切り株に水がたまっただけでした。

今度はアオムシが石垣を登っていました。

と思ったら、石垣ではなくカメの甲羅でした。

ムクドリが草むらでエサを探している。

と思ったら、草むらではなく牛の背中でした。

その後も女の子は、庭の色々なものにどんどん水をかけていくのでした。

『みずまき』の素敵なところ

  • 「と、思ったら」のわかりやすい繰り返しと意外性
  • 勢い良く描かれた水
  • まるで一緒に水まきをしている気分

この絵本は、「と、思ったら」「○○でした」の繰り返しで出来ています。

とってもわかりやすいけど、意外性のある展開ばかり。

草むらだと思ったら牛の背中だったり、石垣だと思ったら亀の甲羅だったり。

子どもたちは流れがわかってくると、「今度は一体何なんだろう」と予想しながら期待の眼差しを向けてきます。

内容もそうですが、それと同じくらい素敵なところは水の躍動感でしょう。

本当にホースから水が勢いよく溢れ出るように、躍動感や力強さが表現されています。

また、その色はこちらまで涼しくなるくらい、冷たくて気持ちよさそうです。

そんな水をホースを振り回し、庭中にまく女の子。

この絵本を読んでいると、いつの間にか女の子になりきって、自分が水をまいているような気分になってきます。

そして、水をまき終わった後、その涼しさまでも感じられるから不思議です。

勢いのある絵で描かれた水まきを通して、心が涼しくなる。

夏にピッタリな絵本です。

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