ばけものづかい(4歳~)

絵本

作:せなけいこ 出版:童心社

怖い怖い化け物屋敷。

そんなところにおじいさんが一人で引っ越しました。

次々に現れる化け物たち。

しかし、化け物たちを待っていたのは予想外の展開でした・・・。

あらすじ

昔、とても人使いの荒いおじいさんがいました。

使用人のごんすけは、いつもたくさんの仕事を言いつけられていました。

このおじいさんが引っ越しをすることになりました。

引っ越し先は、化け物が出ると言う家でした。

これはたまらんと、ごんすけは逃げ出してしまいました。

その晩、おじいさんが本を読んでいると、どこからか生暖かい風が吹いてきました。

みると、行燈のそばに綺麗な女の人が。

女の人はにっこり笑うと、首がするする伸びました。

ろくろっくびだったのです。

しかし、おじいさんは全く怖がりません。

そこで、ろくろっくびが障子を開けました。

そこにはたくさんのオバケたち。

でもやっぱり、おじいさんはちっとも驚きません。

驚くどころか、オバケたちに仕事を言いつけ始めました。

おじいさんとオバケたち。

一体どうなってしまうのでしょう。

『ばけものづかい』の素敵なところ

  • せなけいこさんのわかりやすく、愛嬌のある文章
  • 困ったところがかわいらしいオバケたち
  • 深く意味がわからんくても楽しめて、深く意味が分かるともっと楽しめる古典

この絵本は古典を元にした絵本です。

オバケより人間の方がよっぽど怖いという笑い話です。

そんな古典も、せなけいこさんにかかると、小さな子でも楽しめるおばけ絵本に早変わり。

無駄のない、とてもわかりやすい文章。

わかりやすいだけでなく、どこか愛嬌があるところがまた素敵です。

オバケたちにも愛嬌があり、おじいさんに働かせるオバケたちの困った様子が健気です。

このオバケたちを眺めているだけでもとっても楽しい。

小さい子も「ろくろっくびだ!」「一つ目小僧もいるよ!」と、慣れ親しんだオバケたちに大喜び。

そんな純粋なオバケの絵本としても楽しめますが、もちろん深い意味まで分かった方がより楽しめます。

自信満々に驚かしに来たオバケが、おじいさんの化け物使いの荒さに逃げ出していく。

この構図におもしろさを感じる年代であれば、より深く楽しめると思います。

少し複雑な構図を持つ古典作品を、小さな子はおばけ絵本として、大きな子は古典のおもしろさをしっかり堪能できるお話として、幅広く読めるように描かれた絵本です。

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