作:まつおかたつひで 出版:童心社
かっこよくて、力強い恐竜。
今は絶滅してしまったけれど、生きている恐竜に会ってみたい!
と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
そんな願いを夢いっぱいの物語で叶えてくれる絵本です。
あらすじ
寝るためにベッドに入った男の子。
寝る前に、ベッドでお母さんがおはなしを読んでくれる。
でも、赤ちゃんが泣きだして、おはなしが途中なのにお母さんは行ってしまった。
仕方がないので、男の子は布団にもぐり、洞穴探検をすることにした。
布団の中を進んでいくと様子がおかしい。
布団の終わりがないのだ。
男の子と猫のミーコが進んでいくと・・・。
ようやく出口が見えてきた。
そこはなんと、恐竜の国だった。
向こうから、肉食竜に追われた草食竜の群れが逃げてくる。
そんな中、草食竜の中の小さい子どもが逃げ遅れた。
男の子は急いで子どもの恐竜を連れて隠れた。
なんとか、肉食竜をやり過ごしたが、恐竜の子どもはお母さんに会いたいと泣き止まない。
そこで、男の子は恐竜のお母さんを探すことにした。
恐竜の子どもはランベオサウルスの子どもだったので、ベオと名付けた。
男の子はベオのお母さんを探しながら歩いていく。
プテラノドンにお母さんの行方を聞いてみると、湖の森にいると教えてくれた。
湖の森に行くと、パラサウロロフスが背中に乗せてくれ、湖を渡り森に着くことが出来た。
そこにはベオのお母さんがいて、無事に再開することが出来た。
しかし、喜んでいるのも束の間、火山が噴火した。
噴石が次々飛んでくる。
男の子とミーコは無事に家まで帰ることが出来るのでしょうか。
『ベッドのなかはきょうりゅうのくに』の素敵なところ
- ベッドのなかを進んでいくと恐竜の国だったという、夢のある設定
- 次々に出てくるリアルに描かれた恐竜の数々
- 最後までハラハラドキドキさせる展開
布団に潜り込むのは子どもの習性。
そこで探検ごっこやおうちごっこが日々繰り返されます。
そんないつもの遊びが発展して違う国に繋がると言うのは、本当に夢があります。
「ぼくも潜ったら行けるかな」
「タオルケットじゃいけないかも」
「家の布団は大きいからいけるよ」
と、みんな行く気満々です。
昼寝の時間にはみんな「もぐってみるね」と、姿を消していました。
そんな中、到着した恐竜の国では、多種多様な恐竜たちと出会います。
この絵本の珍しいところは、出会うのがほとんど草食竜であることです。
物語の展開上、肉食竜から逃げるといったものが多い中、この絵本は草食竜たちの中をゆっくりと歩きながらお母さんを探します。
そのおかげで、草食竜たちの暮らしをのんびりと見渡せるのです。
草を食べていたり、泳いでいたり、ゆっくり寝ていたり。
その雰囲気は「何食べてるんだろう?」「あ、魚を獲ってる」など、様々な発見につながっているみたいです。
しかし、火山の噴火とともに状況は一変。
緊迫した雰囲気になります。
元の世界に戻れるのかドキドキワクワク。
最後まで目が離せません。
子どもが自然と入り込める設定で、ゆっくりと恐竜を見て回れる。
本当に自分が恐竜の国に行ったような気分にさせてくれる絵本です。
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