ひとつめのくに(4歳~)

絵本

作:せなけいこ 出版:童心社

人間の世界では珍しい一つ目オバケ。

では、一つ目オバケの国で珍しいものは・・・?

あらすじ

昔、珍しいものを見せる、見世物小屋がありました。

そこでは、屁理屈をこねたインチキな見世物ばかりしていました。

なので、次第に客は来なくなりました。

見せ物師の男は、なにか客を集められる珍しいものを探していました。

そんな時、旅人から一つ目小僧に会った話を聞きました。

さっそく、見せ物師はその場所へ行ってみることにしました。

旅人の行った場所に行くと、一つ目の小さな女の子がいました。

見せ物師は女の子を誘い出すと、そのまま抱えて連れ去ろうとしました。

しかし、村人に見つかり、見せ物師は縛られて、奉行所に連れていかれてしまいました。

自業自得な見せ物師。

一体どんな判決が下されるのでしょうか。

『ひとつめのくに』の素敵なところ

  • わかりやすい因果応報
  • 相手の視点に立たせてくれる
  • 視点が変われば常識も変わる

自分勝手な見せ物師。

その因果応報っぷりは、見ていて気持ちがいいほどです。

でも、相手の立場や、視線がないと、そうなりやすいことも教えてくれます。

その相手の立場に、自然と立たせてくれるのがこの絵本の素敵なところ。

珍しい一つ目の女の子。

そんなオバケにも国があり、家族がある。

オバケという属性に気を取られ、忘れがちになってしまう部分です。

女の子がさらわれたところから、一気に一つ目オバケたちに視点が切り替わります。

そして、最後の皮肉なオチ。

そこでは、視点が変わると常識も変わるということを痛感させてくれます。

オバケというわかりやすい素材を使って、国同士の考え方の違いについて考えさせられる絵本です。

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