作:せなけいこ 出版:童心社
人間の世界では珍しい一つ目オバケ。
では、一つ目オバケの国で珍しいものは・・・?
あらすじ
昔、珍しいものを見せる、見世物小屋がありました。
そこでは、屁理屈をこねたインチキな見世物ばかりしていました。
なので、次第に客は来なくなりました。
見せ物師の男は、なにか客を集められる珍しいものを探していました。
そんな時、旅人から一つ目小僧に会った話を聞きました。
さっそく、見せ物師はその場所へ行ってみることにしました。
旅人の行った場所に行くと、一つ目の小さな女の子がいました。
見せ物師は女の子を誘い出すと、そのまま抱えて連れ去ろうとしました。
しかし、村人に見つかり、見せ物師は縛られて、奉行所に連れていかれてしまいました。
自業自得な見せ物師。
一体どんな判決が下されるのでしょうか。
『ひとつめのくに』の素敵なところ
- わかりやすい因果応報
- 相手の視点に立たせてくれる
- 視点が変われば常識も変わる
自分勝手な見せ物師。
その因果応報っぷりは、見ていて気持ちがいいほどです。
でも、相手の立場や、視線がないと、そうなりやすいことも教えてくれます。
その相手の立場に、自然と立たせてくれるのがこの絵本の素敵なところ。
珍しい一つ目の女の子。
そんなオバケにも国があり、家族がある。
オバケという属性に気を取られ、忘れがちになってしまう部分です。
女の子がさらわれたところから、一気に一つ目オバケたちに視点が切り替わります。
そして、最後の皮肉なオチ。
そこでは、視点が変わると常識も変わるということを痛感させてくれます。
オバケというわかりやすい素材を使って、国同士の考え方の違いについて考えさせられる絵本です。
コメント