作:夢枕獏 絵:辻川奈美 編:東雅夫 出版:岩崎書店
人を呪うことのできる素敵なお面。
あの子も、この子もみんな呪おう。
でも、人を呪わば穴二つ・・・。
あらすじ
嫌な奴、いるよね。
綺麗なあの子。
嫌いなあいつ。
転んでけがをすればいい、足がおれて歩けなくなればいい。
そんなこと思うことあるよね。
そういう時に君の前に現れるお面。
被ると人を呪うことが出来るお面。
綺麗なあの子の顔がぐちゃぐちゃになればいい。
あいつの足は折れてしまえ。
そしたら、本当になったよ。
何でもできるこのお面。
すごいぞすごいぞ。
あの子もその子もみんな不幸になればいい・・・。
『おめん』の素敵なところ
- 人間の怖さが詰まっている
- 誰もが被るかもしれないお面
- 人を呪わば穴二つ
この絵本のテーマが呪いなだけあり、薄暗くドロドロとした感情が詰まっています。
妬み、嫉妬、恨みといった、呪いの感情。
でも、これは誰もが自然に生まれてしまう感情です。
その感情に振り回されたとき、そのお面は現れます。
感情を、本当の呪いに変えるお面。
力を与えてくれるお面。
負の感情や弱さを克服するよりも、相手を壊す方が楽だから。
ついついそのお面の力に頼ってしまいます。
そして、溺れてしまいます。
けれど、そこに救いはありません・・・。
人を呪わば穴二つ。
その先に待つ結末に光があるわけありませんから。
人の感情の暗い部分にスポットライトを当て、これでもかと目の前に突きつけてくる怪談絵本です。
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