文:ジェイン・ヨーレン 絵:マーク・ティーグ 訳:なかがわちひろ 出版:小峰書店
待ちに待ったクリスマス。
飾りつけに、ごちそうに、プレゼント。
でも、楽しみなのは人間だけではありません。
そう、恐竜だってとっても楽しみにしているんです。
あらすじ
今日はクリスマスイブ。
ウキウキソワソワ待ちきれない。
そんな時、恐竜たちはどうするのでしょう?
サンタさんが来るまで寝ずに見張ってる?
綺麗な箱を片っ端から開けてみる?
ツリーの飾りを取っておもちゃにしちゃう?
他にもたくさん大暴れ?
いいえ、きょうりゅうだもの。
綺麗な声でクリスマスの歌を歌うし、ツリーの飾りが落ちてたら枝に吊るします。
ごちそうのお皿を後片付けもするし、おじいちゃんとおばあちゃんにクリスマスのあいさつだって。
そして、ぐっすり眠るころ・・・。
『きょうりゅうたちのクリスマス』の素敵なところ
- 子どもと重なる大暴れの恐竜たち
- 恐竜なのに行儀がいいというギャップ
- クリスマスが楽しみで仕方がなくなる最後
この絵本の恐竜たちは、クリスマスにテンションが上がって大暴れ。
その暴れる姿は、まさに子どものそのものです。
その中のどれかは見ている子もやったことがありそうです。
キラキラのツリー飾りが目の前にあれば手を伸ばしたくなるし、綺麗な箱があれば開けてみたくなります。
夜にいつまで起きていられるか、サンタさんを見られるかチャレンジをする子もいるでしょう。
まさにそれを恐竜たちがやってみせてくれます。
「やったことある」
「わかるわかる」
と共感する子どもたちですが、まさかの裏切りが。
そう、恐竜たちはそんなことはしないのです。
だって、恐竜だもの。
行儀よくクリスマスを楽しむのです。
歌も歌うし、片付けだってするのです。
恐竜は暴れん坊ではなくお手本でした。
さて、そんなクリスマスイブの一日も終わり、寝静まった頃、もちろんあの人がやってきます。
静かに静かにやってきます。
もう、その一場面で子どもたちのクリスマスへの期待感が高揚するのを感じます。
読み終わった後、何倍もクリスマスを待ち遠しく思ってしまうことでしょう。
恐竜たちの姿を通して自分を見つめ直しつつ、クリスマスまでの日々をよりワクワクソワソワさせてくれる絵本です。
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