作:笠野裕一 監修:堤芳郎 出版:福音館書店
複雑な動きが出来る指。
この指を使えば、色んなものが作れたり、面白い遊びがたくさん出来ます。
さあ、複雑で面白い、指遊びの世界を見てみましょう。
あらすじ
おじさんが、指を組み合わせてなにかをしています。
子どもたちが寄ってきて、何しているのか聞いてみると・・・。
指でカエルの顔が出来ました。
みんなやりたそうなので、おじさんが指遊びを教えてくれることになりました。
まずは指の体操から。
グーにした指を、小指から順番に一本ずつ上げていきます。
次の体操は、手のひらを合わせて、両手の指をくっつけたまますぼめていきます。
そのまま指が開くように手のひらを使付けていきます。
指の体操は「グー・パー」「指の挨拶」へと続き、指が柔らかくなってきたら、いよいよ指遊びへ。
一人でやる「双眼鏡、トンボのメガネ、ライダーメガネ」「鼻つまみ」「カエル」など。
二人でやる「ゆびあげ」「ゆびあてっこ」「ゆびずもう」「おふろ」などのゲームのような遊び。
指を使うと、色んなものが作れるし、色んな遊びができちゃいます。
『ゆびあそび』の素敵なところ
- とてもわかりやすい図解
- やればやるほどスムーズになる面白さ
- 触れ合って遊べる面白さ
この絵本の一番素敵なところは、指の動きが図解でわかりやすくなっている所でしょう。
とても絵が大きく、動きも一つ一つ描かれているので、子どもが自分で見て練習することも出来ます。
それだけではなく、指だけではイメージのわかなそうなものは、指が表しているものを挿絵で載せてくれているのも素敵なところ。
「おふろ」の指遊びなどは、「洗い場で足を洗う」という流れでは、足を洗う男の子の絵が一緒に載っている。
「湯加減が熱い」という流れでは、足を湯に入れたけど熱がっている男の子の絵が載っている。
という風に、指の動きとそれが表すものを、リンクしてわかるようにしてくれているのです。
だからこそ、子どもの遊びも盛り上がり、「あちちち」と思い切り熱がったり、「もっと熱くしちゃおう」とイメージを広げつつ、関わり合いながら遊ぶことへ繋がっていました。
さて、この指遊び。
簡単そうに見えて中々難しく、動きが複雑です。
最初は思い通りいかず、イライラもすることでしょう。
「動かしているつもりが、違う指が動いてしまう」
「イメージ通りの動きにならない」
などなど、上手く出来ないものも多くあると思います。
ですが、やればやるほど思い通りに動くようになっていくのが指遊びの面白いところ。
よりスムーズに、より速く、やっている子は着実に上達を実感できる面白さ。
これが指遊びの醍醐味だと思います。
きっと楽しく、小さな達成感をたくさん感じることが出来るでしょう。
また、自分だけで遊びが終わらないのも素敵なところです。
この絵本には、他の子と一緒に遊ぶ指遊びもたくさん紹介されています。
思い通りにいかなさを楽しむ遊びなどは、一人だとイライラすることも、一緒にゲームとしてやると笑いに変わるから不思議なもの。
「できてな~い!」「難しいんだよ~」と言いながら、2人で笑い合っています。
「おふろ」なども、とても面白い触れ合い遊びで、一つのお風呂イメージを共有しながら、熱くなったりぬるくなったりする湯加減を楽しみます。
指しか使っていないのに、こんなにもバリエーション豊富な楽しみ方が合うることに驚かされるばかりです。
とってもわかりやすい図解で、一人でも複数人でも楽しめる指遊びがたくさん載っている。
指の複雑さ、上手く動かなさ、上達する楽しさ、奥深さを思い切り味わえる絵本です。
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