ぱなしくん(4歳~)

絵本

作:柴田ケイコ 出版:PHP研究所

片付けが出来ない、ぱなしくん。

部屋は散らかしっぱなし、服は脱ぎっぱなし。

そんなことをしていたら、ある日オバケがやってきて・・・。

あらすじ

ぱなしくんは、片付けが苦手な男の子。

愛犬は、モジャ。

お手入れしていないから、毛がモジャモジャなのです。

片づけをしないから、部屋はぐちゃぐちゃ。

手入れをしないから、髪の毛もモジャモジャ。

部屋は散らかしっぱなし、口や机は汚しっぱなし、服は脱ぎっぱなしに着っぱなしです。

そんなある日、お母さんが言いました。

「こんなに散らかしていると、ごっちゃおばけがやってくるわよ」と。

ごっちゃおばけは、散らかっているものが大好きで、全部食べてしまうというのです。

でも、ぱなしくんは気にせずに、散らかしっぱなしでのほほんとしていました。

その日の夜、「べたべた・・・」という、変な音が聞こえてきました。

振り返ると、そこにいたのはベタベタしたものが好きな、ベタベタ妖怪。

食べこぼしでベタベタした机を、食べると消えてしまいました。

しばらくすると、また別の妖怪が現れました。

今度は臭いものが大好きな、むわむわ妖怪です。

着っぱなしで臭くなっている、ぱなしくんの服を吸い込むと消えてしまいました。

すると、今度はほこり妖怪が現れて、ぱなしくんを取り囲みます。

ほこりを撒き散らし、ぱなしくんが咳き込むのを見ると、満足して消えました。

そして、夜も深まったころ。

窓の方からついに現れたのが・・・。

『ぱなしくん』の素敵なところ

  • 子どものよくやる「ぱなし」が盛り沢山
  • 色んなことに反応して出てくる色んなおばけ
  • 単純明快な解決法

この絵本には、ぱなしくんの姿を通して、子どもがよくやる「ぱなし」がたくさん出てきます。

散らかしっぱなし、脱ぎっぱなし、着っぱなし、水出しっぱなし、寝っぱなし、髪の毛伸ばしっぱなし・・・。

などなど、「絶対いくつかは当てはまるでしょう」というくらい、子どもの(大人も)「ぱなしあるある」が詰め込まれています。

見ながら、心の中で「ぎくり」としていることでしょう。

だからこそ、ぱなしくんに感情移入出来、オバケが本当に怖いのです。

自分の所にも来るかもしれないから・・・。

さて、そんなオバケはどれも個性的で、好物につられて出てきます。

ベタベタしたもの、臭いにおい、ほこりっぽい部屋。

それぞれがピンポイントな「ぱなし」に対応しているから面白い。

こんな「ぱなし」をしていると、こんなオバケが来るというのは、とてもわかりやすくて怖いところ。

さらに、この他のオバケまで想像出来てしまいます。

水出しっぱなしの、もったいないオバケ。

朝寝っぱなしの、ねむねむ妖怪。

など、楽しみつつ、ドキドキしつつ、生活習慣が見直せるのです。

そして、このドキドキから逃れる方法は、たった一つ。

かつ、単純明快。

この物凄いストレートさが、この絵本の素敵なところ。

なにをしたらいいのかが、すぐにわかるのです。

ドキドキしながらも、最後はわかりやすく「あーよかった!」と終われる。

そして、きっと自分の部屋の中を、一度見まわすことでしょう。

「散らかしっぱなしにしているとオバケが来る」という、とてもわかりやすく、面白く、少し怖い物語。

そこに出てくる、ぱなしくんの姿を通して、自分の生活を見返してみるきっかけになる絵本です。

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