すなのおしろ(4歳~)

絵本

作:エイナット・ツァルファティ 訳:青山南 出版:光村教育図書

浜辺で作り始めた砂のお城。

どんどん大きくしていくうちに、本物のお城が完成してしまいました。

中に入って遊んでいると、各国の王様たちが訪ねてきて・・・。

あらすじ

海に遊びに来た女の子。

浜辺で砂のお城を作り始めました。

でも、普通のお城ではありません。

女の子が作るのは本物のお城です。

塔があり、ドームがあり、お堀まであるのです。

中に入ると、大きな窓はオーシャンビュー。

部屋の数もたくさんです。

完成すると、すぐに世界中から王様やお妃さまがお城を訪ねてやってきました。

みんなすごく気に入って、砂のお城で過ごしていました。

パーティをして、アイスを一晩中食べて、楽しい一夜を過ごしました。

でも、翌日、面倒なことが起こります。

朝食の時に、食べ物に砂が入っていると、王様たちが騒ぎ始めたのです。

兵士たちも、鎧に砂が入ると言い、温室でも草木が枯れ始めました。

砂への不満は白中に広がり、その不満がついに爆発!

その時、女の子が取った行動は・・・。

『すなのおしろ』の素敵なところ

  • 大きくて豪華すぎる砂のお城
  • 砂ならではの苦労とわがままな王様たち
  • 砂のお城ならではの最後の場面

大きくて豪華すぎる砂のお城

この絵本の、なにより面白いところは、完成した砂のお城の壮大さでしょう。

作り始めは、普通の砂のお城なのに、ページをめくるたび、大きくなっていくお城。

気付けば、塔ができて、ドームができて、装飾まで完璧。

さらには中に入れてしまいます。

子どもたちも、

「砂のお城楽しいよね♪」

と、自分の記憶に照らし合わせていたのに、

「えー!?こんなの作れないよ!」

「中まで作ってある!?」

と、まさかの展開とスケールにびっくり!

驚きと憧れの眼差しで、お城を見つめていました。

砂ならではの苦労とわがままな王様たち

そんな素敵なお城ですが、大人が来ると話が変わってきます。

砂のお城ならではの苦労もたくさんあるのです。

砂が常に天井から落ちてきたり、足の指に砂が入ったり、砂地なので植物が枯れてしまったり。

子どもは全然気にしていませんが、王様たちは話が別です。

勝手に来たのに、わがままばかり。

女の子は「砂だからしょうがないよ」と言います。

子どもたちも、

「砂なんだから当たり前じゃん」

と言います。

この子どもの方が分別があるという、逆転現象もまた面白いところです。

砂のお城ならではの最後の場面

さて、そんな砂のお城の最後は、なんだかとても現実的。

砂のお城あるあるで終わります。

浜辺で砂のお城を作ったことがある人なら、みんな経験したであろう事件。

ここで、改めてどんなにすごくても、砂のお城であったことを再認識させられるのです。

夢のような時間から、最後に浜辺へと戻ってきて終わるのも、この絵本の素敵なところだと思います。

二言まとめ

現実離れした砂のお城の完成度と、そこでの王族のような時間がとても楽しい。

砂で出来ていることへのリアルさと、非現実感のバランスが面白い絵本です。

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