作:コマツシンヤ 出版:あかね書房
未来ってどんな風になっているんだろう。
ドラえもん?鉄腕アトム?
きっとたくさんの想像をしたと思います。
そんなたくさんある未来の中の一つのお話です。
あらすじ
未来の世界を生きる男の子ミライくん。
毎朝、ランドセル型ロボットのランセルに起こされて一日が始まります。
今日はお母さんが出張から帰ってくる日です。
朝食が済むと、お父さんは会社へ、
ミライくんは学校へ向かいます。
ミライくんは学校のみんなとキョーシツに乗り込みます。
そして、出欠を取り終えると、他の乗り場で待っている友だちを乗せながら飛んでいきます。
あちこちから集まったキョーシツが学校に着陸します。
先生がキョーシツに入ってくると授業が始まります。
算数、無重力遊泳、昔の暮らし、宇宙語など様々な科目があります。
授業が終わるとミライくんは空港に向かいました。
空港に着くとロケットが着陸し、中から大勢の人が降りてきました。
その中にミライくんのお母さんが。
お母さんは出張で地球に行っていたのです。
ミライくんの住んでいるのは地球じゃありませんでした。
未来の地球は一体どうなっているのでしょう。
『ミライノイチニチ』の素敵なところ
- 細かく描き込まれた未来の街並み
- 未来へのイメージが膨らむ描写や科目、生活模様
- 未来の一日を通して現在に目を向けさせてくれる
この絵本の一番の素敵なところは未来の生活模様や町並みが細かく、魅力的に描き込まれているところです。
ミライくんの部屋には壁のない水槽や不思議なロボット、惑星のホログラムが浮かんでいたり、
街には未来のスケート靴を履いて道を滑っていく人、空を飛ぶ車、未来の家々などが描かれています。
それらのデザインが見事なまでに未来なのです。
お話の中には描かれていない未来の暮らしぶりも、街の様子を見ていると想像出来てくるのです。
絵だけでなく、宇宙人の教える宇宙語や無重力遊泳の授業は宇宙がどれだけ身近なものか想像させてくれますし、家にはお手伝いロボがいたり、ランセルが忘れ物チェックやアドバイスをしてくれる。
細かくは語られなくても、色んな部分から未来への想像力を膨らませてくれます。
また、未来の図鑑という未来の物品の絵をページ内から探す仕掛けもより未来への興味を掻き立てます。
夢のある未来の生活ですが、それらを見るのと同時に未来の地球も登場します。
その地球を見た時、未来へ続く現在の地球へも視線を向けることになるでしょう。
夢の膨らむ未来を描きつつ、現在との繋がりもしっかりと描かれた絵本です。
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