甲虫のはなし(4歳~)

絵本

文:ダイアナ・アストン 絵:シルビア・ロング 訳:千葉茂樹 出版:ほるぷ出版

公園などで見かける甲虫。

かたい殻に覆われていたり、色々な形をしていたり、綺麗な色をしていたり。

子どもも大人も魅了してやみません。

そんな甲虫たちの秘密を、綺麗な絵とともにのぞいてみませんか。

あらすじ

甲虫は卵から生まれて、幼虫が大きくなると、さなぎになります。

そして、丈夫な殻をやぶり、大きく姿を変えた成虫になります。

そんな成虫は色とりどりです。

中には虹色に輝くものもいます。

大きさも様々。

大きなものは鉛筆を噛み切ることが出来ますし、小さなものは針の穴を楽々と通り抜けてしまいます。

世界の国々では甲虫はよく食べられています。

たくさんいて、たんぱく質が豊富だからです。

甲虫には色々な特技もあります。

穴を掘ったり、走ったり、ジャンプしたり、泳いだり。

それぞれ適した体の動きになっています。

甲虫は音を出したり、光を発したり、色々な方法で伝えあいます。

身を守る方法も様々です。

擬態したり、毒を持っていたり、高温のガスを出すものもいます。

まだまだ甲虫の秘密は尽きません。

『甲虫のはなし』の素敵なところ

  • 身近な甲虫から、見たこともない甲虫までたくさんの甲虫が登場する
  • そのどれもがリアルで本当に生きているよう
  • メジャーな知識から、マニアックな知識まで甲虫の様々なことを知ることが出来る

まず最初に登場するのはテントウムシです。

卵から、幼虫、さなぎ、成虫への流れを教えてくれます。

子どもたちも「テントウムシだ!」「あの幼虫公園にいた!」など、身近な甲虫に興味津々。

他にもタマムシやカミキリムシなど身近な甲虫から、ニジイロクワガタなどの珍しい虫たちまで、多種多様な甲虫が登場します。

それらの甲虫のリアルなこと。

足のギザギザ一本一本や、羽の模様や色使い、動きの躍動感など、本当に絵本にその甲虫がとまっているのではと思うほどです。

だからこそ、それぞれの魅力が伝わるし、それぞれの甲虫の特徴もわかります。

特に特技を持った甲虫のページなどではそれぞれの甲虫がピックアップして描かれているので、体のつくりの違いなどを比較することが出来ます。

でも、この絵本の魅力は絵だけではありません。

紹介される知識のマニアックさも魅力の一つです。

世界で甲虫が食べられているというページでは、国ごとの料理名がたくさん載っていて、どんな風に食べるのかイメージが湧くようになっています。

特技を持つ甲虫は、そのためにどんな風に身体が進化しているか細かく教えてくれます。

甲虫の特徴の前羽と後ろ羽など、体のつくりも描かれます。

しかし、たくさんのマニアックな知識が入っていますが、わかりやすいのも素敵なところ。

専門用語をかみ砕き、語り掛けるような言葉で書かれているため、子どもでも理解しやすいのです。

そこにとてもわかりやすい絵が合わさって、視覚的にもわかりやすい。

そんな、マニアックながらもわかりやすい科学絵本です。

普通の虫絵本に飽きてきた頃におすすめな一冊です。

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