作:キューライス 出版:KADOKAWA
急に現れ暴れる猫。
それがあばれネコ。
そこには理由などありません。
ただ暴れたいだけなのです・・・。
あらすじ
ある日、男の子が本を読んでいると・・・。
ネコが窓を開けて、
本を閉じて、
机の上を走り回って、
カーテンにぶら下がって・・・
と、男の子の部屋を我が物顔で、ひたすら意味もなく暴れ続ける猫。
しかし、その騒ぎを聞きつけて・・・。
『あばれネコ』の素敵なところ
- 暴れる姿と重なる子どもの姿
- 勢いをさらに加速する切れのいい擬音
- 暴れる勢いから、オチへの落差がすごい
突如現れ、意味もなく暴れまわるネコ。
その姿はさながら嵐のよう。
しかし、そこには妙な既視感があります。
そう、それはわんぱく盛りな子どもの姿そのものなのです。
開いた本はバターン!と勢いよく閉じ、カーテンがあればぶら下がる。
ベッドがあれば飛び込むし、フカフカ枕があればとりあえずパンチ。
極めつけは急に大声で叫びます。
大人も子どももこのネコを見て思うことは同じです。
「あ~、これよくあの子がやってるわ~」
そんな勢いある暴れっぷりとその面白さを加速させてくれるのが、切れのいい擬音の数々。
ネコが窓を開ける時は「ガララー」
カーテンにぶら下がると「バサバサバサー!」
ベッドに飛び込むと「ボフーン!」
もちろん擬音は太字です。
これらがネコの暴れっぷりと合わさって、面白さが大爆発。
子どもたちを爆笑の渦に巻き込みます。
さあ、そんな大暴れも永遠には続きません。
終わりの時が来るのです。
終わらせるのはやはりあの人物。
最初から最後まで、大騒ぎで大暴れの賑やかだったのが噓のように、最後のページは静かです。
この落差が大きすぎて、またおもしろい。
突如として暴れ出すネコの姿がただおもしろい。
そんな純粋な絵本です。
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