作:ノーマン・ブリッドウェル 絵:長野ヒデ子 訳:長月るり 出版:偕成社
誰もが魔法や魔女に憧れたことがあると思います。
こんな魔法が使えたら・・・
魔女って怖いイメージだけど、自分なら友だちになれるんじゃないか・・・
そんな思いに寄り添ってくれるお話です。
あらすじ
ある兄弟の家の隣には魔女が住んでいます。
魔女の名前はマジョンナさん。
初めはあいさつの仕方も普通だし魔女とは気づかないかもしれません。
でも、引っ越しの仕方や買い物の仕方をみていると段々わかってきます。
そして、家を真っ黒に塗り始めた時、やっぱり魔女に違いないとわかります。
マジョンナさんの魔法は素敵です。
一緒にほうきに乗せてくれたり、困った時に助けてくれたり。
近所の人に魔法をかけることもあるけれど、傷つけたりは絶対しない。
そんなある日、マジョンナさんの家にドアをドンドンと叩き文句を言いに来た人が。
魔女が近所に住んでいるなんて迷惑だから出て行けと言ってきました。
これには兄弟もマジョンナさんもカンカンに怒りました。
そしてマジョンナさんがその人たちに魔法をかけ始めます・・・。
一体どうなってしまうのでしょうか。
『となりのまじょのマジョンナさん』の素敵なところ
- とっても素敵な魔法たち
- 優しいけれどコテコテの魔女
- とっても平和
マジョンナさんの使う魔法はどれも素敵で優しい魔法。
風邪を引いたときにハーブティーとクッキーを窓から魔法で届けてくれたり、引っ越しの荷物たちを歩かせて家に入れたり、不思議な生き物と散歩をしたり。
ページのあちこちに小さな魔法も散りばめられており、一つ一つ見るのがとっても楽しいです。
そんな魔法をかける時、マジョンナさんはいつもイタズラっぽく笑っています。
でも、着るものは全部真っ黒だし、家も真っ黒。
時々魔女がたくさん集まってきて、不思議な料理を作るなどコテコテな魔女でもあります。
そのギャップや不思議さもマジョンナさんの魅力です。
そして、明るく楽しくとっても平和な物語。
色々な魔法にドキドキワクワクしながらも、傷つく人が誰もいない。
でも、違和感もないマジョンナさんらしい平和なお話です。
一度読んだら癖になるこの絵本をぜひ一度読んでみてください。
『となりのまじょのマジョンナさん』のおすすめの読み方
- 一つ一つの魔法をページをゆっくり見ながら読んでいく
- 「こんな魔法使いたい」という子どもたちの思いに共感していく
- 文句を言いに来た人へ呪文をかける時だけは恐ろし気に
ティーポットが飛んでいたり、椅子が生き物になっていたりと、ページの色々なところに魔法が散りばめられているので、ゆっくりとページを見ながら読んでいきましょう。
魔法に気づいた子への反応も忘れずに。
そして、マジョンナさんの魔法を見ていると「いいなー」という声や「これやりたい!」という声が聞こえてきます。
「いいよね!」「これ出来たらこんなことも出来るよね」など共感しつつイメージを膨らませつつ、より深い魔法の世界へ誘いましょう。
さて、とても平和だった場面から、文句を言われて怒って魔法をかける場面へ。
どうなるんだろうという気持ちを盛り上げつつ、悪い魔法使いが呪文を唱えるような声で魔法をかけていきます。
子どものドキドキ感をしっかり高めてページをめくりましょう。
素敵な魔法が目一杯詰まったこの絵本。
ぜひ自分の読み方を編み出してみてください。
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