うんこ!(3歳~)

絵本

作:サトシン 絵:西村敏雄 出版:文溪堂

子どもの大好きなうんこ。

臭くても汚くてもテンションが上がるうんこ。

そんなうんこの色々なものがしっかり詰ったうんこ絵本です。

あらすじ

道の隅っこでわんこがうんこ。

出てきたうんこを置き去りに、わんこは行ってしまった。

うんこは悔しがった。

「くっそー!」

そこへネズミが来て、うんこの臭いを嗅いだ。

ネズミは「くっさーい!」と言って逃げていった。

うんこは言った「くっそー!」

そこにヘビが通りかかった。

ヘビはうんこの臭いを嗅ぐと「くっさーい!」と逃げていった。

うんこはまた言った。

「くっそー!」

動物たちがみんな逃げていくので、うんこは考えた。

そして、名案が浮かんだ。

「うん、こうしよう!」

うんこは仲間を探しに出かけることにしたのだ。

うんこは立ち上がると、仲間を探す旅に出た。

果たして、うんこの仲間は見つかるのでしょうか?

『うんこ!』の素敵なところ

  • 「うんこ」「くさい」という子どもが大好きなうんこ要素が満載
  • 所々で入ってくる「うんこ言葉遊び」
  • 最後はなんだかいい話

まず間違いなく、この絵本の題名や表紙を見ただけで盛り上がります。

「うんこ!?」「うんこの絵本なの!?」「うんこが出てくるの!?」

そして、「ねえ、うんこを読むんだって!」とあっという間に拡散されていきます。

もうこの時点で、この絵本の強さと、うんこの拡散力を感じます。

もちろん内容も裏切りません。

しっかりと描かれるうんこ感。

うんこが生まれるところから描かれます。

臭い要素も忘れません。

動物たちが臭いを嗅ぎ、「くっさーい!」と逃げていく様は大爆笑。

臭いを嗅ぐ動物たちを見て「ダメだよ!臭いよ!」と言いつつも、顔はニヤニヤ。

「くっさーい!」と動物たちが逃げていくと「やっぱりー!」と大笑いです。

その後、うんこの真似をして「くっそー!」と一緒に言うのがお決まりの流れです。

そんな単純な笑いを提供してくれるこの絵本ですが、所々にもう少し高度な笑いも盛り込んでいます。

それが「うんこ言葉遊び」。

「くっそー!」もそうですが、

「うん、こうしよう!」

「うんこらしょっと!」

「ふん!ふん!ふん!」

「こいつはうんがついてきたぞ」

など、うんこと絡めた言い回しがさりげなく使われているのです。

太字にはなっていますが、さりげな過ぎて中々気付きません。

でも、気付きにくいからこそ、気付いた時に面白いのです。

「あ!ここがう・ん・こにになってる!」

と気付いた子は「うんこ!」で笑っていた時とはまた違う表情をしていました。

わかる人にはわかる知的な面白さがさりげなく入っているのも、この絵本の魅力だと思います。

さて、そんなうんこの旅の終わりは、うんこだって役に立つことを伝えてくれるいい話。

綺麗に丸く収まります。

「臭くて、汚い、トイレに流すだけのもの」という見方が、少し変わるかもしれません。

子どもの大好きなうんこ要素をふんだんに使いつつも、うんこのいい面も見せてくれる。

最初から最後までうんこ尽くしの贅沢な大爆笑絵本です。

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