文:ケイト・ラム 絵:エイドリアン・ジョンソン 訳:石津ちひろ 出版:小学館
うっかり者のおばあちゃん。
うっかりのたび「あらまっ!」が口から飛び出します。
でも、実はこのおばあちゃん。
うっかりを全部自分の力で解決してしまうスーパーおばあちゃんだったのです。
元気なおばあちゃんのドタバタおやすみなさい絵本です。
あらすじ
パトリックという男の子が、一人でおばあちゃんの家に泊まりに行きました。
夕方になりおばあちゃんはいいました。
「さあ、パトリック!ベッドにはいてさっさと寝なさい」
それを聞いたパトリックはいいました。
「でも、おばあちゃん・・・ベッドなんてどこにもないよ」
すると「あらまっ!!!?」と叫んだおばあちゃん。
慌てて庭に走っていって、木を一本切り倒し、のこぎりで木を切って、釘を打ち付け立派なベッドをこしらえました。
そしていいました。
「ほら、出来たわよ。さあ、ベッドに入って、枕を当てて、さっさと寝なさい」
しかしパトリックはいいました。
「でも、おばあちゃん・・・枕なんてどこにもないよ」
するとおばあちゃん。
「あらまっ!!??」と鳥小屋に駆けつけて、ニワトリの羽をむしり、袋を縫って、枕を作ってベッドに置きました。
「枕が出来たわよ。ベッドに入って、枕を当てて、毛布をかぶってさっさと寝なさい」
こうおばあちゃんが言うとパトリックは言いました。
「でも、おばあちゃん・・・毛布なんてどこにもないよ」
「あらーまっ!!???」
いつになったらパトリックはベッドに入れるのでしょうか。
『あらまっ!』の素敵なところ
- 一緒に言いたくなる「あらまっ!」
- ちょっとずつ増えていく、ワクワクする繰り返し
- 見事な5段落ち
うっかり者だけど、元気で行動力抜群のおばあちゃん。
その口癖「あらまっ!」は一度聞いたら頭から離れません。
おばあちゃんの「あらまっ!」を聞くと子どもたちは大爆笑!
さらに大笑いしながらの「あらまっ!」の大合唱!
自分で読んでいる時も楽しそうに「あらまっ!」と言っているのでとても気に入っているみたいです。
そのおもしろさを引き立てているのが、わかりやすい繰り返しです。
「でも、おばあちゃん・・・」の決まり文句の繰り返しが、次の「あらまっ!」への心の準備になり、次の「あらまっ!」を全力で楽しめるのです。
また、ただの繰り返しじゃないのも楽しいポイントです。
一場面ごとにベッド、枕、毛布と増えていく繰り返しに、「次は何が来るんだろう?」「おばあちゃんはどうするんだろう?」というワクワクが倍増します。
そして、そこからの見事な5段落ち。
そこまでの流れやタイミングが完璧すぎて美しさすら感じます。
子どもに読んだら、大爆笑せずにはいられない。
計算されつくした一冊です。
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